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ついている
第二章

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「本当にね」
「お祓い必要?」
「そうしないと駄目?」
「そこまで運が悪いと」
「それこそ」
「ううん、どうもね」
 また言う美桜だった。
「そんな気もしてきたわ」
「不運も続くとね」
「一回や二回でも嫌なのに」
「余計に嫌になるから」
「もうやっていられないってなるわね」
「風水とかも考えるべきかしら」
 こんなこともだ、美桜は言った。
「中国の」
「そうそう、中国とか台湾とかね」
「あっちの人って風水大事にするわよね」
「うちの学校の中国や台湾からの留学生の子もそうだし」
「香港とかマカオの子もね」
「華僑の子達にしても」
 つまり中国文化圏の生徒達はというのだ、美桜が通っている八条学園高等部は世界各国から留学生が来るので中国系の留学生も多いのだ。
「じゃあ風水する?」
「ヨーロッパのおまじないとかも」
「アラビアもあるしね」
「何でもあるわよね」
「あとね」
 ここで一人の娘が言って来た。
「十字架とか」
「大蒜とか聖水ね」
「あと銀のナイフとか?」
「木の杭?」
「銀の銃弾に銀のピストルとか」
「それは吸血鬼とか狼男でしょ」 
 美桜は友人達の今の問いにすぐにこう返した。
「別にそういうのに狙われてないから」
「そうね、確かにね」
「そいうのじゃないわね」
「ただ最近運がないだけで」
「吸血鬼とか狼男はね」
「関係ないわね」
「そんなのに狙われていたら」
 それこそというのだ。
「もっと大変よ」
「血を吸われるか貪り喰われるか」
「どっちにしても碌なことじゃないわね」
「そんな妖怪に狙われていたら」
「こんなものじゃないわね」
「そうよ、だから大蒜とか聖水はね」
 そうしたものはとだ、美桜はまた言った。
「また違うわ」
「つまり不運をどうするか」
「そういうことね、今の美桜は」
「今の不運続きをどうするか」
「それが問題よね」
「そうよ、風水でもお守りでもおまじないでも」
 それこそというのだ。
「何でもね、やってみて」
「今の不運な流れをどうするか」
「そういうことね」
「じゃあお祓い?やっぱり」
「あとおまじない?」
「風水もあるし」
「何でもあるわね」
「ええ、とにかく何とかしないと」
 それこそというのだ。
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