第五章
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「肉やパンばかりですと」
「壊血病になる」
「そうなんですね」
「じゃあ俺達に壊血病が多かったのも」
「そのせいですか」
「イギリス海軍ではラム酒にライムを絞った汁を入れて飲んでいます」
このこともだ、医師はスティーブ達に話した。
「壊血病を防ぐ為に」
「その話聞いたことがあります」
一人が医師のその話に反応した。
「連中はライミーとかライムジューサーとか言うって」
「はい、それはです」
「このことからだったんですね」
「そうです、ライムを絞った汁を飲むので」
ラム酒に入れてだ。
「そう呼んでいましたが」
「それが理由ですか」
「そうでした」
「壊血病の予防の為に」
「他にはザワークラフトも食べます」
「ドイツ料理の」
別の人間が言ってきた。
「フリッツの連中は確かに結構食ってますね」
「あれも食べられていました」
「壊血病の予防の為に」
「ザワークラフトも壊血病を防ぐのにいいんですね」
「そうです、とにかく野菜と果物で」
医師はスティーブ達にさらに話した。
「それとです」
「さっきお話してくれた生肉と生き血」
「そういったのもですか」
「はい、ただ生肉は寄生虫がいたりしますので」
だからというのだ。
「お気をつけよ」
「じゃあ野菜か果物ですか」
「そっちの方が安全だからですね」
「俺達はそういうの食べるべきですか」
「蒲公英も含めて」
「そうです、あとお茶もいいです」
これもというのだ。
「とにかくお肉やパンだけはよくないです」
「野菜、果物もですね」
「出来るだけ食べる」
「身体の為に」
「その方が口飽きもしませんし」
味覚面からもだ、医師は話した。
「ザワークラフトを買えるお金はありますね」
「まあそれ位は」
「俺達もここで頑張ってますから」
「伊達に金を見付けてる訳じゃないです」
「ザワークラフト位買えます」
「なら行商人に注文してです」
そうしてというのだ。
「取り寄せてもらって食べていきましょう」
「それで蒲公英もですね」
スティーブは医師にこの植物の名前を自分から出した。
「食べるべきですね」
「はい、どうぞ食べて下さい」
「わかりました、正直蒲公英食って助かりましたし」
笑って医師に話した。
「これからも食っていきます」
「是非共」
「しかし、寒さだけじゃないんですね」
スティーブは医師に蒲公英を食べ続けていいと言われてあらためて言った。
「食いものにも気をつけないといけないんですね」
「そうなのです」
「わかりました」
確かな声で応えたスティーブ達だった。
「じゃあ野菜や蒲公英も食いながら金探します」
「一攫千金の為には食いものにも気をつけます」
「寒さにもめげず」
「そうし
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