第四章
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「新作のね」
「じゃあその新作について」
「何かあるかな」
「そうかも知れないわね」
こうしたことを話してだった、アンドレはオムレツを食べた。そしてその後家を出てだった。
新連載をはじめる雑誌の担当であるピエール=アラーニャと喫茶店で待ち合わせてコーヒーを飲みながら新作の話に入った。
この時にだ、ピエールはその明るい顔でこう言ったのだった。
「今度はアフリカでどうですか?」
「アフリカ?」
「はい、アフリカを舞台として」
そしてというのだ。
「フランス人と日本人が一緒に動物を保護する」
「またどうしてアフリカで日本なのですか?」
アンドレは整った顔を明るくさせて言うピエールに問い返した、見れば女性と言っても通用する外見である。
「急に言われましたけれど」
「はい、日本は動物保護にも熱心らしくて」
「そうなのですか」
「アフリカといえば、ですね」
「自然ですか」
「様々な自然がありますね」
「サバンナもジャングルも」
具体的にだ、アンドレは言った。
「砂漠もありますね」
「そこに様々な生きものがいますし」
「その環境を守る為に主人公達が動く」
「そうした作品を考えていまして」
「そうですか」
「どうでしょうか」
目を輝かせてだ、ピエールはアンドレに問うた。
「そうされれば」
「そうですね、アイディアとしてはです」
「いいですね」
「私もそう思います」
はっきりとだ、アンドレはピエールに答えた。
「それは中々」
「後は先生と私で」
「物語をですね」
「創っていきましょう」
「では」
アンドレはピエールにあらためて言った。
「これからお話を進めていきますか」
「こうした感じでいくということで」
「そうしましょう」
こう話してだ、そしてだった。
アンドレは仕事の話を進めていった、それで家に帰ってからエレノワールに打ち合わせのことを話すとだ、妻はこう言った。
「駝鳥はアフリカで」
「あのおソースは日本だからね」
「そうしたお話になったのかしら」
「そうなのかな」
「ううん、不思議ね」
「君もそう思うね」
「ええ、そんな風になるのかしら」
腕を組んで首を傾げさせてだ、エレノワールは言った。
「アフリカになったのかしら」
「そうかな」
「だとしたら面白いけれど」
「若しもだよ」
ここでだ、アンドレはエレノワールに話した。
「また駝鳥の卵のオムレツで」
「それで日本のおソースをかけたら」
「こうなるのかな」
「どうかしらね」
「わからないね、そこは」
「私にはね」
「僕にもだよ」
他ならぬ彼自身もというのだ。
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