第3話
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
3人のうち2人は、あっさりと久遠によって始末されたのだが。
残り1人が暢介を狙ってきた。
暢介自身、無我夢中で剣を振っていた。
教えられた振り方とかそんなものは、頭から吹っ飛んでいた。
あったのは殺されるかもしれないという恐怖。
うっすらと浮かんでいた、自分の死体の光景を振り払う様に。
やがて、鈍い手ごたえを感じ、手を止めた暢介の視線に入ったのは賊の死体。
今、自分が殺した賊の姿だった。
吐き気はすぐに来た。
止めようがないその吐き気に暢介は吐いた。
吐いていた暢介の背中を久遠が擦る。
「悪い……覚悟はしてたんだけどな」
「いいえ。初めて人を殺してこの反応は正常ですよ」
「そうかな」
「そうですよ。人を殺して何とも無い人の方が問題ですよ」
そう言いながら久遠は暢介の背中を擦り続けた。
「慣れていくしかないよな……」
「ん? 何か言いましたか暢介?」
「いいや独り言だよ。それより、どっちに向かってるんだい久遠」
「南です」
そう言って、2人は南に向けて歩を進める。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ