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恋姫無双〜2人の御使い〜
第3話
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出る際、暢介はサッカーボールを司馬孚に渡していた。
 司馬家の人達は驚いていたけれど、ありがたく受け取って貰った。

 「と言っても、預けたって形だからさ。いつか返してもらうさ」

 「あぁ、そういえばそうでしたね」

 そこまで言って司馬懿は考え込む。
 暢介はそんな司馬懿から視線を自分の腰に向ける。

 そこには司馬防から渡された剣があった。

 『自分の身は自分でね』

 と言われ。

 「……僕、何かを忘れてる様な……」

 未だに呟いている司馬懿。
 やがて……

 「あっ……さ、鷺島さん」

 「ん? どうした?」

 「僕さ……鷺島さんに真名を伝えたかな?」

 司馬懿の言葉に暢介は首を横に振る。

 「いいや。真名は聞いてないけど」

 その言葉に司馬懿の歩が止まる

 「言ってなかったか……さ、鷺島さん。ちょっと聞いてほしいんだけど」

 「どうした?」

 司馬懿の方を見ると、真剣な表情で暢介を見ていた。

 「鷺島さんに僕の真名を受け取ってくださいませんか」

 「真名を? いいのか、大事なものなんだろ?」

 「大事です。だから、これから一緒に旅するあなたに預けたいんです」

 真剣な表情の司馬懿に暢介は頷く。

 「ありがとうございます。それでは改めて、僕の真名、久遠をあなたに預けます」

 「分かった。君の真名である久遠。確かに受け取らせてもらったよ」

 そこまで言うと、暢介は『だったら』と呟き。

 「じゃあ久遠。君も俺の事は暢介って呼んでくれないか。どうも鷺島さんって呼ばれるのに慣れてなくてね」

 その言葉は予想外だったのか久遠の表情が驚きに変わる。

 「よ、暢介ですか」

 「あぁ、下の名前の方が呼ばれ慣れてるからさ」

 暢介の言葉に納得したのか、久遠は。

 「分かりました。では、暢介と呼ばせて頂きますね」

 と返した。




 さて、旅をしていれば賊に襲われる事がある。
 勿論、何もしなければ身ぐるみを剥がされる、最悪、殺される事だったあるだろう。

 そうならない為に武器を持っている。
 殺さなければ、こちらが殺される訳なのだから……

 「大丈夫ですか。暢介」

 並んで歩く久遠が心配そうな表情を浮かべて暢介を見る。

 「大丈夫だよ」

 そう答える暢介の表情は少し青い。

 原因はつい先ほど襲っていた賊が関係していた。

 賊は3人組で、武器をちらつかせ2人を脅した。
 恐らく、何度かはその方法で上手く行っていたのだろう。

 ただし、今回は『お前達にやる様な物は無い』という久遠の言葉に逆上。
 2人に襲いかかってきた。

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