我が身を滅ぼすために
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チ状況を飲み込めていないウェンディたち。マカロフに呼び掛けられた妖精たちは、それぞれの顔を見合わせていた。
「なんだかわからないけど、とにかく急ご!!」
「そうですね!!」
ルーシィとウェンディがマカロフの指示に従い、全員で行動をしようとする。だが、
「俺は残る」
エルフマンが突然そんなことを言い出した。
「エルフ兄ちゃん!?」
「なんで!?」
「・・・」
彼の頭の中には一つの記憶が蘇っていた。それは、自分がギルドを爆破してしまったということ。その責任を感じている彼は、ギルドに戻ることはできないと考えているようである。
『ギルドの破壊は、お主のせいではなかろう』
「そ・・・そうだぜ!!マスターの言う通りだ!!」
「エルフ兄ちゃん・・・」
「俺だって、レビィを人質に取られてたらきっと・・・」
「それでも・・・俺は・・・」
仲間たちの呼び掛けにも首を縦に振らないエルフマン。マカロフは彼に無理にギルドに戻って来させるのも気が引けると考え、それを伝えようとした。だが、
「お前、バカなんじゃねぇの?」
たった一人の青年がその考えを打ち砕く。
「カミューニさん!!」
「あんた、何言ってるの!?」
「言っていいことと悪いことがあるよ〜!!」
ラクサスを背負ったままのカミューニ。彼は全員に背を向けている大男を無理矢理自分たちの方を向かせると、その胸ぐらを掴む。
「現実から目を反らすのか!?逃げんのか!?ふざけんなよ!!漢だったら、自分がやったことを受け止めて、その借りを返すもんだろうが!!」
かつてやってはいけないことをした者だからこそ、エルフマンの想いはわかっている。だが、彼は決して逃げなかった。むしろ、その過ちを償っていくために、彼は前に進んでいるのである。
『どうする?エルフマン』
「・・・行くさ。それがけじめっていうならな」
暗く落ち込んでいるだけだったエルフマン。しかし、カミューニの言葉を聞いた彼は、現実に向き合い、自分のやったことを受け止めようと決意する。
「そうか」
その彼の表情を見て、カミューニは口角を上げる。
「じゃあこいつも持っててくれ、責任とって」
「「「「「押し付けたかっただけかよ!!」」」」」
背丈は同じくらいなのだが、カミューニはラクサスに比べると幾分か細い。もちろん筋肉質な体型なのだが、長時間自分よりも重たい人間を持っていると疲れてしまうため、ラクサスより遥かに大きいエルフマンに押し付けたかったのである。
「あぁ、任せろ!!」
「エルフ兄ちゃん・・・騙されてるって気付いて・・・」
しかしエルフマンは自分が押し付けられていることに気付いていない。むしろ仲間を託された彼は、やる気満々の様子でラク
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