15話
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から手を離し、視線を僕に戻したセシリアさんが話を変える。
「それはそれで大切なことですが、それよりも織斑さんの訓練のアプローチを変える必要がありますわね。基本的な動作を深めるのはもちろんですが、同時に実戦的な訓練も平行して行わないとといけませんわ。来月にはクラス対抗戦もございますし」
「そうですね。当初の予定よりも遅れているのは間違いないでしょう。今のままじゃ一方的な敗北も考えられますし、なんとか勝利に漕ぎ着けるようにしないと」
そろそろ他のクラスも代表が決まっただろうから情報も集めないといけない。他のクラスのクラス代表が代表候補生とかならいいが、もしそうでない人が代表の場合、情報を集める時間が通常よりも大きくかかってしまう。情報さえあれば対策なんかも組めるのだが……。
しかし疑問だ。僕との戦いの時は、映像で見る限り白式との一体感は極めてハイレベルなもの。正直、初心者とは思えない判断と行動が多々見られた。……練習の時の集中力と試合の時の集中力は別物なんだろうか? それならそれで心強いが、安定して力を発揮させるためのトレーニングを行っていない一夏さんが毎回そんな集中力を起こせるとは思えない。不安定すぎる。
一夏さんについていけた僕もおかしいかもしれない……思い出せないことが不便なのは知っているが、覚えていれば僕ももっと早く成長できるかもしれないんだが。
椅子に背中を深く預けて視線を一夏さんに向ける。一夏さんの周りにはたくさんの女生徒で埋め尽くされていた。しかし、一夏さん人気だな。僕の周りにはセシリアさんと本音さんの2人だけだし。気を楽に出来るからかえってこっちの方が嬉しい。
「織斑くん、がんばってねー」
「フリーパスのためにもね!」
「今のところ専用機を持ってるクラス代表って1組と4組だけだから、余裕だよ」
4組の専用機持ちと言えば、更識 簪、さんか。日本の代表候補生にしてたっちゃん先輩の妹さん。……調べてみたけど妹さんのIS情報はなかったことが気になる。普通、専用機に関する情報は少なからず公開されているものなのに、彼女のISに関しては何も公開されていなかった。同じ倉持技研の白式は先日公開されたというのに。
……なんらかの理由があるのだろうか? まぁ、それはひとまず置いておこう。
しかし、自分のクラスの代表に対して無責任な発言は引っ込めてほしい。変にプレッシャーをかけることになるし、今の一夏さんに余計なことを考えさせたくない。
そもそも、僕が観客席に夜叉を投擲した意味を分かっていないことにも悲しい。
一夏さんにフォローを入れようと思い立ち上がったところに、彼女の声がした。
「―――その情報、古いよ」
その声に視線を教室の入口に向ける。
腕を組
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