15話
[11/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
「おはようございます本音さん。今日は早いんですね」
僕の記憶の中では本音さんはいつもギリギリに教室に来ているイメージがある。バタバタと慌てた様子で教室に入ってきている。
「今日は珍しく早く起きれたんだ〜。ところでつっきー知ってる?」
「何がです?」
「なんかね〜、今日から転校生が来るらしいんだよねー。2組にだけど」
その話で昨夜のことを思い出す。鈴さんのことだろうか? 総合受付で別れたが怒気が背中から滲んでいた。やっぱり一夏さんと以前何かあったんだろうか? 少なくとも単純な親しさ以外の感情があの子にはあった。
「多分、僕はその子のこと知っています」
僕のその言葉に本音さんは意外そうな表情になる。
「あれ、つっきー誰が来るか知ってるの〜?」
「まぁ、知っているというか昨夜案内したと言いますかね……。中国の代表候補生の方でしょうか?」
これでもし中国の代表候補生なら間違いないだろう。いくらなんでも同じタイミングで2人も自国の代表候補生を送ることは考えにくい。
「おはようございます、鬼一さん、本音さん。この時期に転校生ですか?」
ちょうど教室に入ってきたセシリアさんが会話に加わる。しかし、歩いている姿がここまで気品にある人って見たことない。イギリス貴族は伊達じゃない、ってことかな。クラス代表を決めるときの姿が遠い昔のことに感じる。
こっちの方が似合っていると思うけども。
「うん、どうやら中国の代表候補生みたいだよ〜」
じゃあ、鈴さんで間違いないだろうな。別れるときに見た小さな背中を思い出す。
「どのような方なのでしょうか?」
「セシリアさんも気になりますか? 同じ代表候補生として」
僕の言葉にセシリアさんは顎に手を添えて視線を下に向けて考える。
「……そうですわね。わたくしたち代表候補生がIS学園に来るのはIS発祥の地である日本の最先端の情報や技術をキャッチすることもそうですが、似たような目的でIS学園に来る他国の第3世代ISの情報を集めるという理由もあります。そういう意味では気になりますわね。やはり他国によって特徴が大きく変わりますし、自国では考えられない発想のISも直接見れるというのは大きいです」
国によって社会や文化、人が違うということはそれぞれの特徴が色濃く出る。その点に関してはe-SportsもISも変わらないんだな。日本製の白式や鬼神はシャープなデザインに機動性能や火力性能を重視した面が目立つし、イギリス製のブルーティアーズは白式や鬼神と違ってやや丸みを帯びたフォルムに、多角的な射撃機能が特徴だ。2機に比べて機動性能や火力性能が低く、ないとまでは言わないがややおざなりになっている印象があるかな。
顎
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ