暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
15話
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 鬼一くんが戻ってきたのは約9時頃だった。部屋に帰ってきた彼は私に一声かけ、眼鏡を机に放り投げて着替えもせずにそのまま自分のベッドに倒れこむ。普段の彼と違うその行動はちょっと疑問を抱かせる。……疑問というほどでもないんだけどね。

 枕に顔を埋めたまま鬼一くんは微動だにもしない。余程疲れているように見える。同室の私にとってもこういった姿は始めて見るものだった。普段の1本、芯のある姿とは遠く感じるそれは年相応に見えなくもない。

 普段の彼は帰ってきたらすぐに勉強を始める。以前や今日の反省点を全て洗い出してどのように改善するか? それを行うための具体的なトレーニング方法を考えたり、もしくはISに関する山とある情報を収集している。最近は戦略を考えたり、他の専用機持ちの映像などを見て色々と吸収しているようだった。

 スイッチの入った彼を邪魔することはない。私はそういうときは素直に席を外したり、雑誌を読んだり、お茶を飲んだりとのんびりと過ごすことが多かった。

 年頃の男の子なのだから、からかいの意味を含めて私の湯上り姿とかを見せようとしたことが何度かあったが、彼の目や耳にはまったく入っていないように感じた。女として見られていないように感じるのはちょっと悲しいかな。
 まぁ、スイッチの入っていない時に見せたらすごい慌てるんだけどね。その姿と反応が可愛くて可愛くて。

 ちょっとズレた。

 ベッドに身を委ねている彼の姿は眠そうに、疲れているようにも見えるがその中には僅かにうれしさがあるように感じた。織斑 一夏くんのクラス代表就任パーティーでこの子がそういった感情を持つようには見えない。

 彼の中に楽しさや嬉しさ、もしくは悲しさや憎しみといった感情が希薄のように私は感じる。怒りだけは少々特殊みたいだが。IS学園という特殊な環境なのもそれらを加速させている。周りのクラスメイトもほとんど気づいていないだろう。彼の中の感情がどんな動きをしているか。例外としてはセシリアちゃんくらいだと思う。いや、彼女も全ては追えていないはず。

 そんな彼が、嬉しさ、という感情を隠そうともしていないことに興味を抱いた。

「ねぇ、鬼一くん?」

 この時の私の声はとても楽しそうな声だったと思う。私がこういう声を出すと鬼一くんがびくりと身体を震わせる。私が楽しんでいる時は大体何らかの形でこの子に被害が出るから。条件反射、とでも言えばいいかな。

「……はい、なん、でしょうか……?」

 だけど、この子は震えることもなく、ただ自分の欲求に従っているようだった。普段が理性的である分、凄い意外性を感じる。
 眠気に包まれ、船を漕ぎ始めている声。枕で隠れていた視線が私の方へ向けられた。多分、同室になって初めてではないだろうか? この子のこんな
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