暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第29話「交流」
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なら、それで頼む。」

「ああ。」

  ラウラなら普通の弁当ぐらい作れそうなんだけどな...。軍人だから機会がないのか?
  ただ単に“弁当”が作れないだけで飯は作れるだろうけど。

「しかし、なぜ一緒に?嬉しいが...。」

「いや、結構大所帯になるからな。できればその時に交流してもらいたいと思ってな。」

「なるほど。確かに、交流を持つことはいいな。」

  決まりだな。そういう訳で、ラウラも参加する事に決定した。

「...ところで師匠は...。」

「え...?あれ!?いつの間に!?」

「桜さんなら冬姉に連れて行かれたよー。」

  いつの間にか消えていた桜さん。
  どうやら、マドカ曰く千冬姉に連れて行かれたらしいけど...。

「...まぁ、桜さんならどうとでもなるか。」

「そうだね。」

「...二人共、なかなか言うな。同感だが。」

  だって、桜さんだし。
  ...そういえば、簪は全然会話に入り込めてなかったな。人見知りか?

「では、私も兄様たちに少し付き合うとしよう。」

「おう、いいぞ。」

  桜さんは桜さんで置いておいて、俺達はラウラとISの特訓に励んだ。







       =桜side=



「...で、聞きたい事は大体察してるが...。」

「ああ。ラウラの事だ。」

  千冬にいきなり連れてかれた俺は、人気のない所でそう問われる。

「ちょっと束の頼みに付き合った時に遭遇してな。千冬も知ってるだろ?ラウラの出自。」

「...ああ。」

「そのラウラと同じような存在が、うちにもいたから束が気に掛けてな。それでなんかISに仕込まれていたVTシステムを破壊すると同時に、交流もしたって訳だ。」

「VTシステムだと...!?」

  違法のシステムがラウラのISに組み込まれていた事に、千冬は驚く。

「...いや、それよりも、ラウラにはあの時の私の影響を受けていたはずだが...。」

「まぁ、そこは秋十君が解決したさ。俺が援護したとはいえ、VTシステムで再現された“暮桜”に勝ったんだぜ?」

「...そうか...。」

  一先ず安心と言った表情をする千冬。

「話はそれだけか?」

「ああ。なぜ知り合いなのか少し聞きたかっただけだからな。」

  そう言って去っていく千冬。

「...もうしばらくしたら秋十君に負けるかもな!」

「...ふ、その時は私もまた強くなっている。まだまだ負ける気はせん。」

  ...あー、確かに。この感じじゃ、まだまだ先かな。
  ...まぁでも、秋十君はそれでも追い付いてくるだろう。








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