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ep.017 決戦8
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無いが敢えて付けるなら燕返しってところか。』
燕返しと言えば、佐々木小次郎の代名詞のような技だが、あれは正式には虎狩りと呼ばれており、燕返しという技自体は実質存在しない。
神薙は振った足を切り返した。
的場はジャンプした後の落下に入っている。
神薙は狙いは此処だった。
空中で無防備な的場は防御を取れない。
今の神薙の攻撃は一撃必殺の名に相応しいもので、当たれば能力で体に掛かるダメージの倍率を跳ね上げられてしまい、一撃で瀕死になりかねない。
的場に足が当たる。
誰もがそう確信した次の瞬間、的場は足で空中を掴んだようにそこから更にジャンプした。
神薙の切り返しが見事に的場の下を通過していく。
『今のは....2段ジャンプしたのか!?』
つまり、今の的場は物理常識に従っていない。
それは人間をやめたことに等しい。
的場はそのまま神薙の頭上に着くと、力強く足を振りおろし、頭部に踵落としをお見舞いする。
踵落としを直撃した神薙はふらつきながら的場を見る。
額からは血が流れ出し、神薙の片目を閉ざす。
踵落としの時に、的場は無意識に足に掛かる重力と重さを上げていた。
神薙には踵落としというより、鈍器で頭を殴られたような鈍く重い一撃を食らった。
『はぁ.....はぁ....ちっ..こっからが面白いんだろーが。 なのになんで.....俺の体は動かない。』
今の神薙は意識が時々消えかける。
何も考えられない。
『なんでなんだよ.....クソッ! やっと見つけたんだよ...野口以外に勝負できる奴を.....なのに...ふざけんな!』
神薙はすぐにでも倒れそうな体を動かし、トボトボとした足取りで的場の元に向かって来る。
そして、拳を構えた。
能力を最大限に使い、拳に掛かる力の倍率を限界まで引き上げる。
「受けてみろ......的場ぁぁぁぁぁぁああああ!!」
神薙は最後の力を振り絞って的場を殴りにかかる。
的場は拳を構え、静かに待っている。
「ウォォォォォォォォォォオオオ!!」
神薙が拳を放つ。
だが、拳にかけた能力は消滅した。
2人のパンチは互いの頬に当たった。
「へへ.........。」
神薙は少し笑うと、倒れた。
その姿はまさに歴戦の猛者たる誇りが見えた。
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