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ep.017 決戦8
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面に入る。
「うぐっ。」
「まだまだつめが甘いな。」
的場は再び吹き飛ばされる。
その全身は所々にアザができていて、この戦闘の激しさを物語っている。
的場は冷静に分析する。
『さっきの感触は摩擦がなかったのか? だが摩擦を操る能力ならさっきの水が説明できない......。』
的場にヒントを与えるように神薙は指パッチンをする。
すると、マジシャンのマジックのように指先に火が付き、神薙が指をくしゃっと包むと火が消えた。
「教えてやろうか、俺の能力を。」
「教えてそれでも俺に勝てるんですか?」
的場は敢えて煽る。
神薙の質問にYesで答えてもNoと答えてもこれからのペースを持って行かれる気がしたからだ。
「当然だ。 体術だけでもお前は俺に届いていない。」
否定できない。
神薙の言葉は「ド」が付くほど正論だ。
そして、反論できない的場を見かねて神薙は教えた。
「俺の能力は"横流能力"。 倍率を操作する能力だ。」
「倍率を!?」
それはあまりにも予想外な解答だった。
的場が考えていたのは空間を操作する能力。
"範囲を決めてその中にある物を好きにできる能力"。
そうすれば空中に大量の水が発生したことも、自分のパンチがまるで当たらなかったことも説明できた。
しかし倍率と教えられてから考えると、確かにその方が納得のいく点が多かった。
水に関しては空気中に微妙に漂う水分の倍率を上げ、パンチの時は自身に掛かる足裏以外の摩擦の倍率を下げたということになる。
しかし、対処法は浮かばない。
相手はこちらに干渉している訳でもなく、また普通に殴り合ってもこちらに有利はない。
まさに"万事休す"の一言だ。
『もう....この力に頼るしかない。』
的場は既に直感で辿り着いていた。
それは、自身にある本当の力。
池野、桐崎を退けたあの能力のことだ。
的場は目を閉じ、自身の内面の方に入り込んでいく。
神薙は的場に一撃を叩き込むために走ってくる。
その走りの勢いを殺さないように前方に飛び、拳に力を込める。
「終わりだ的場!」
神薙の一撃が的場に決まろうとしたその瞬間、的場は目を見開いた。
神薙のパンチをくるりと横に避け、後ろ回し蹴りで神薙を蹴り飛ばす。
『今のはチェンジオブペースって感じじゃねぇ。 本当の意味で加速した。』
「不思議だ。 濃密な力が内側から溢れてくるような、そんな感覚がする。」
神薙がこの事態から迅速な撃破を優先し、的場にとどめを刺しにやって来る。
神薙は的場に急接近すると、足を横に振る。
的場はそれを大きく飛んで避けた。
それを確認すると、神薙は振った足を返す。
『技に特に名前は
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