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ep.016 決戦7
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.....能力が消滅したのか?』
的場は自分に起こっている異常現象に初めて気付いた。
今までは無意識の中で使っていた能力に気付き始めた。
そう思えば、池野を倒した時も我紋を倒した時もその前後の記憶が定かでなく、まるで途中で切れたビデオのように断片的に記憶がなかった。
すると突然桐崎が話し始めた。
「俺は自分の力が好きじゃなくてな。 回復力を除けば、技は欠点が幾つかある。」
桐崎は自身の能力、フェニックスについて話す。
主な欠点は2つあるらしい。
「フェニックスの力。 それは自身が持つフェニックスの数より1つ多い数までしか使えない。」
自身が持つフェニックスの数よりも2つ以上先の技を使うとフェニックスでダメージをカバーし切れないため、最悪、一撃で瀕死の反動を受けることもあるらしい。
そしてもう1つの欠点は順番通りに解放しなければならないこと。
第2の技を繰り出すには第1の技を既に使用していないといけない。
そして桐崎はフェニックスを2体所持し、手順通りに力を解放していた。
「これは奥の手だったんだが、お前に使うんなら上等な技だ。」
桐崎は両の手の平から炎を生み出し、混ぜ合わせ、濃縮させる。
次第にそれは膨張し、エネルギーの塊になっていく。
膨大な熱の塊。
「これが太陽の3部。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォオオオオ!!
エネルギーの塊は凄まじい音を立てながらさらに膨らみ、濃縮され、巨大爆弾のようになっていく。
「この一撃が正真正銘、最後の一撃だ。 冥土の土産に食らって行きな。」
的場は静かに拳を構え、そして駆ける。
桐崎は限界まで圧縮された熱の球体を飛ばした。
ゼロ距離で当たれば少なくとも肉片は残らないだろう。
『もっと、もっとだ! もっと速く駆けろ!』
静かな表面とは裏腹に内面の方では自身にある力を引き出すことに必死になっていた。
しかし、起こそうとして奇跡は起こらない。
奇跡は偶然の重なりで起こるものなのだから。
ところが次の瞬間、桐崎の能力で発生したエネルギーの塊は突如消滅する。
「何ッ!!」
「ヌゥゥォォォォォォォォォォオオオオ!!」
的場は拳を構えたまま桐崎の目の前まで来ていた。
この時に桐崎は的場の本当の力を理解した。
「そうか....的場の本当の力...なら今のはアイツの計らいだな。 とことん見据え過ぎて気に食わないやつだ。」
桐崎は一切の防御を取らず、顔面で拳を受ける。
そのまま吹き飛ばされると、もう立ち上がらなかった。
「俺の...本当の力?」
的場は階段を目指した。
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