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ep.015 決戦6
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「なんだあれ? 箱部と共通の能力なのか?」
仮にも箱部と共通なら自分の能力は一切使えなくなる。
しかし、それでは説明のつかない点があった。
異常な身体能力の向上だ。
先程まで普通だった動きが突然、直視不可の領域まで加速した。
そうしていると、的場が急接近していることに気付けなかった。
的場はノーモーションから右パンチをかます。
この時我紋は普段の癖で攻撃を食らいに行ってしまう。
「右腕のベクトル.......強化..。」
的場が何かを言ったかと思うとノーモーションのパンチが我紋の腹に食い込むように入る。
「ぐぁっ!」
今度は演技などではなかった。
我紋の能力による威力の吸収は完全に絶たれ、オマケにノーモーションなのにギリギリまで溜めて撃った拳と同等、もしくはそれ以上のダメージが我紋に与えられたのだ。
「うっ..........ぐっ.........はぁ...はぁ...はぁ...ハハハッ....面白えじゃねぇか。 俺にダメージを与えたのはお前が二人目だぜ...的場..聖持......。」
「自身に掛かる空気抵抗をすべてシャットアウト。」
的場が再び何かを言った。
すると、一息にして我紋の目の前まで来た。
そして、今度は力を溜めて拳を奮う。
「ベクトル強化。」
『まさか、こんなに楽しめるなんざ思わなかったぜ。 じゃあ潔く舞台から退場させてもらうか。』
的場の拳は我紋の顔面に命中する。
我紋はそのまま吹き飛ばされ、大の字に倒れてもう立ち上がらなかった。
的場も糸が切れた人形の如く床に倒れた。
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