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ep.012 決戦3
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「なんだ今のは。」
「気配をコントロールしたまでです。」
「気配を...コントロール....。」
「あなたは勝つことに必死過ぎて本来使える技術をまったく使えていないように私は思います。」
的場はこれまでの2戦を思い出す。
すると、冷静に考えればもっと要領よくできた場面がいくつもあったことを理解した。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「単純ですよ。 負けることを知ればいいんです。」
つまりは『答えはない』と言われたようなものだ。
的場はそれに動揺し、取り乱したように攻撃を始めた。
拳を振りかぶり、強烈なパンチを決める。
それだけではない。
的場の弱点設定を使えば、箱部の腕を潰すことができる。
案の定、箱部は的場の拳を腕でガードした。
しかし、的場のそんな考えは実現しなかった。
「なに!!」
能力が発動しない。
自分の演算が狂っているわけでも、ましてや相手から干渉されているわけでもなさそうだ。
「能力は使えませんよ。 私の能力、異能殺しの前ではどんな能力も"無"になります。」
「能力を........無にする!?」
彼女の能力異能殺しは行ってしまえば"上条当麻"の幻想殺しの"強化版"のようなもので彼とは違い、ある一定の範囲の相手の能力を消すことができる。
的場の一瞬の油断を狙って箱部は先ほどパンチを繰り出したままの腕を固定し、見事な一本背負いを決める。
次に的場が見たのは天井だった。
『どうすればいい....体術で負け、精神的にも負け、さらには能力も封じられて........もう.....。』
「俺の.......負けです。」
的場は負けを認めた。
これ以上はどれだけやっても彼女を倒せる突破口が一切見つからなかった。
studentが何をしようとしていたのかまた、野口のことも何一つ知ることができずに諦めくてはならない。
不服だったが実質彼女は今の自分より強かった。
自分は此処を立ち去らなくてはならない。
しかし、返答はあまりにも意外だった。
「合格ですよ。 通って下さい。」
的場はその言葉の意味が分からなかったが、箱部の表情と場の雰囲気でそれを理解した。
「どうして.......。」
「言いましたよね、私はアナタと"戦う"ことが目的でした。 つまり私はアナタに"負け"を知って欲しかった。」
箱部は倒れている的場に手を伸ばした。
「これで体の力が程よく抜けましたから、これまでより周りが見えるようになるはずです。 頑張ってくださいね。」
箱部は的場に包帯と回復の錠剤のようなものをいくつか手渡すと、的
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