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ep.010 決戦1
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て突き立てたままにしておいた。
「武器は2本とも封じましたよ。」
「そうか....少し思い込みが激しいぞ。」
的場は何の事かと不思議に思ったが、その直後に何かを感じ取る。
的場の横を肉眼でギリギリ捉えられるくらいの細い糸のような物を見た。
「布石は既に打ってある。 ゴミ溜めの中で俺が唯一身に付けたのは"どんな手を使っても勝つ"そんな薄汚れた意地だけだからな。」
持ち手の部分に頑丈なワイヤーのような物をの巻きつけられたサバイバルナイフが勢いよく背後から的場を狙い飛んでくる。
的場は反応が一瞬遅れ、サバイバルナイフが的場の頬をかすめた。
「なに!!」
的場は動揺を隠せなかった。
同時にはじき飛ばしたサバイバルナイフのほうを警戒して騎城から目を離してしまう。
次に的場が視線を戻すと、騎城が静かに懐まで近づいて来ていた。
「お前は上等だが、それでもまだ未熟だ。 取るに値しない。」
騎城はギリギリまで溜めた拳を全力で振り切った。
的場はそれを顔面に直撃し、その勢いで吹き飛ぶ。
だが、騎城の攻撃はまだ終わっていなかった。
的場は殴り飛ばされ、後を確認した。
すると、的場がはじき飛ばしたサバイバルナイフがちょうどその近くに転がっていたのだ。
騎城は腕自体に糸のような物を巻き付けていて、それを勢いよく引く。
サバイバルナイフは騎城の長い手のように、正確に的場の手足をかすめていく。
気付けば的場は全身から血を流していた。
「序盤の有利はどうした? もっと楽しませられるだろ、お前なら.......野口の認めた男なら。」
的場は一度『無』になった。
精神を統一し、周辺の空気すら触覚で感じ取るように意識を研ぎ澄まし、感覚を敏感にする。
それでも足りないと感じた的場は目を閉じた。
『絞り出せ....極限の状態....空気の流れすら読むように.....。』
騎城は試しにと的場にサバイバルナイフを投げる。
的場は文字通り"ゾーン"に入っている状態で、最小限の動きでサバイバルナイフを避ける。
次に騎城は糸のような物を引き、同じように的場を背後から狙った。
しかし、今度は当たらなかった。
騎城はその瞬間に的場の空気が変わったことを察知して、急に無口になった。
両者の呼吸すら聞こえなくなり、その場は本当の静寂に包まれた。
先手を打ったのは騎城のほうで、サバイバルナイフを構えて、一息に目の前まで接近し、的場に逆手で振りかざす。
的場は目を瞑ったままにも関わらず、先程とは明らかに動きの質が違っていた。
騎城のサバイバルナイフを騎城の腕から止めることで防ぎ、その守りはまさに"絶対防御"と言うに相応しいものだった。
さらに的場は目を瞑った状態で、騎城の動きに再び僅かな隙を発見す
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