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ep.008 最悪な夏休み
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たっぷりの女性の声だった。
それでも、的場にとってこれが最後の頼みの綱だった。
「あなたが俺に事件の真実を教えてくれるんですか?」
「おうともー。でもねー私のことは"向子さん"って呼んでくれるとありがたいなー。」
どうやら彼女の話によると、知り合い達に"向子さん"と呼ばれ続ける内にそれ以外の呼ばれ方には薄っすら違和感を感じるんだそうだ。
「お互いの顔とかを知っていたほうがこれから便利だから何処かで君と会いたいかなー。的場くんは予定空いてる日あるの?」
的場は2日後の予定が空いていたためそれを伝えた。
向子はそれを確認すると、場所を指定した。
指定された場所は、なんと野口と的場の行きつけのカフェだった。
『なんで......たまたまなのか....それともおれのことは調べあげられてるのか....?』
的場が内心パニックになっているのを感じ取った向子はそれに追い打ちを掛けるように言葉で畳み掛ける。
「ねー的場くん。今、"なんで"って思ったでしょ。」
完全に読まれていると悟った的場は心拍数がどんどん上がっていく。
彼女に対してとてつもない恐怖を感じた。
「今日はこの辺にしとこうかな。じゃあね。」
電話は切れた。
的場はこの電話の内容を他人に話す訳にもいかないと思い、その日はそれで支部を出た。
自分の家に帰るとベッドに横になり、一旦深い眠りについた。
今日は何かをしたわけでもないのにやけに疲れてしまった。
『今はもう、泥のように寝たい。』
翌日も、的場は支部に顔を出さなかった。
野口も同じく顔を見せなかったらしい。
ーその頃
第0学区にいた野口は電話で誰かと話し合っていた。
「流石だね向子さん。的場くんをちゃんとここまで導いてあげてね。」
「報酬は弾ませちゃうからねー。」
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