機動戦艦ナデシコ
1377話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
間には中の餡の旨味がたっぷりと口の中へと広がっていく。
美味い……な。
――どうですか?――
俺の近くに不意に立ったその人影は、この超包子の店主でもある四葉だ。
相変わらずこの肉まんと同じようにほんわかとした雰囲気を持っている。
「ああ、美味い。その辺で食べる料理とは比べものにならないくらいだな」
――そうですか。喜んで貰えて何よりです――
笑みを浮かべた四葉が、そのまま神楽坂の方へと向かう。
「……アクセル代表。今の少女はもしかして?」
汁なし担々麺を食べていたグリューノが、不意に尋ねてくる。
「ああ。四葉五月。この店の店主で、同時にシャドウミラーに所属している人物だ」
「ほう、あのような女性まで……だが、確かにこの料理は美味い。しかし、木連の人達は何故こうにも喜んでいるのやら」
不思議そうな表情を浮かべているグリューノだが、何となく理由は理解出来る。
木連では食べ物に必要なのは、とにかく量で、味……質はそんなに重要視されてなかったのだろう。
木連にどれだけの人数がいるのかは分からないが、それでも数百人、数千人程度な訳ではない筈だ。
寧ろ、木星のような場所でよくもまぁ、それだけ食料を用意出来たと感心する。
そんな木連の人間としては、シャドウミラーの中でも最高峰の腕を持つ四葉の料理というのは、致命的なまでに衝撃的だったのだろう。
……高杉に関しては、話は別だったが。
「恐らくグリューノにとってはあまり面白い話じゃないぞ」
「なるほど。では、これ以上は聞かない事にしておこう」
そう告げると、再び料理へと戻っていく。
そのまま、全員が料理へと集中していくのだが……それでも地球と木連の者達が話している様子は見えない。
地球のメンバーは地球のメンバーと、木連のメンバーは木連のメンバーで話している辺り、お互いの溝の深さを物語っていた。
いや、実は木連のテンションの高さについていけないだけって可能性もあるのか?
ともあれ、木連の面々に関しては非常に嬉しいだろう食事は終わり、超包子を後にする。
……木連の面々が物凄く名残惜しそうにしていたが。
「さて、じゃあ腹ごしらえも終わったし、次はどうするんだ?」
チャイナドレス姿の神楽坂は超包子の中にいたからか、最初に会った時のようにチャイナドレス姿を恥ずかしがってはいない。
まぁ、何年も超包子でチャイナドレス姿の看板娘として働いてたんだから、慣れってのはあるんだろう。
その割りには交流区画では思い切り恥ずかしがっていたが。
「そうね。場所としては何ヶ所か候補地があるけど……ファンタジー系の施設がいいと思うわ」
「となると、博物館か牧場か?」
ホワイトスターの中では、色
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ