第63話
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たロイドはワジを紹介しようとしたが、先にワジが名乗った。
「僕の名前はワジ。ワジ・ヘミスフィアだよ。IBC総裁のご令嬢、マリアベル・クロイスさんだね?お会いできて光栄だよ。」
「あら、うふふ。機先を制されてしまったわね。ワジさんと言ったかしら。よかったら近くに席を用意してもらいましょうか?」
「いや、それには及ばない。実は少々、そちらの彼らに伝えたいことがあってね。」
「え………」
ワジの言葉にロイドが驚いたその時、ワジはロイド達に近づいて小声で言った。
(………窓から裏庭を見下ろしたら犬が何匹も眠っていた。何か心当たりはあるかい?)
(……本当か?)
(犬というと………例の軍用犬の事みたいね。でも、眠っていたって……)
「………―――マリアベルさん。申し訳ないですけど少しばかり席を外します。」
「フフ、色々と面白い事になっているみたいですわね。わたくしの方はお気になさらずに。せいぜい、あなた方の代わりにオークションでの出品物を見届けておきますわ。」
「………感謝します。」
「ありがとう、ベル。」
そしてロイドとエリィはワジと共にオークション会場を後にした。
(庭に放たれていた番犬が何匹も眠っていた……フフ、何を意味しているのかな?)
(ああ、考えられるとすれば―――何らかの侵入者が現れた………その可能性が高いかもしれない。)
(なるほど………確かに。)
(いずれにしても何かが起ころうとしている………それだけは確かみたいだね。)
(ああ、念の為屋敷の中を一通り回ってみよう。異変に気付けるかもしれない。)
(ええ………!)
(フフ………僕も付き合わせてもらうよ。)
その後ワジを加えたロイド達はさまざまな場所を見回っていると、オークションの品々を管理している部屋の前に倒れているマフィアを見つけた。
「駄目だ、気絶している………」
「へえ、どうやら一撃で昏倒させられたみたいだね。」
「こ、こんな事ができるのは………」
「……とにかく中に入ろう!」
ロイド達が部屋に入る少し前、なんと銀がマフィアに取り囲まれていた。
「て、てめえ………!」
「いつの間に現れやがった………!」
「フフ………我が名は”銀”。月の光さす所ならばどこへでも現れよう。」
「ふ、ふざけろ………!」
「くたばれ……!」
銀の言葉を聞いたマフィア達は襲い掛かろうとしたが
「ぬるい―――爆雷符!!」
銀は懐から符がついたクナイをマフィア達に投擲した!すると投擲されたクナイはマフィア達に命中すると爆発を起こし
「がっ………」
「馬鹿な………」
それを受けたマフィア達は
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