第63話
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、どこぞの資産家が後ろ暗い理由で手放したのか……詳細はわかりませんけど噂では素晴らしい逸品らしくて。コレクターの一人としてこれは見逃せないでしょう?」
「なるほど、あなた昔からあそこの人形のファンだものね。」
「………ちなみに、そういう人形、幾らくらいの値がつくんですか?」
マリアベルの説明を聞いたエリィは溜息を吐きながら頷き、ロイドは真剣な表情で尋ねた。
「そうですわね……初期の作品は、最近のものより一回り以上大きかったらしくてほとんど出回っていませんの。マイスターもそのサイズはもう作るつもりがないそうで必然的にプレミアがついて………以前、帝都で開かれた競売会では500万ミラで落札された作品もあったそうですわ。」
「に、人形一体にそんな値が!?」
「まあ、熱心なファンがいる芸術品みたいなものだから……しかしその様子だと手に入れる気満々みたいね?」
「フフ、由来がどうあれ、人形には罪はありませんから。もちろん、盗品であった場合はしかるべき対応をいたしますわ。その上で、前の所有者と交渉して正式に手に入れるつもりですけど。」
「………参りました。」
「ふう、敵わないわね。」
マリアベルの話を聞いたロイドとエリィはそれぞれ溜息を吐いた。するとその時扉をノックする音が聞こえた。
「あら………」
「失礼します、マリアベル様。オークションの開催時刻がそろそろ近づいて参りましたが………」
「そう、ありがとう。すぐに参りますから後ろの方に3人分の席を用意してもらえるかしら?」
「―――かしこまりました。それでは手配しておきます。」
「えっと、ベル………」
「ふふっ、心配いりませんわ。わたくしが議長と挨拶するのはオークションが終わった後ですし。」
「う、うーん……構わないかしら、ロイド?」
「ああ、せっかくだから一緒に出席させてもらおう。マリアベルさん、よろしくお願いします。」
「ええ、こちらこそ。」
その後オークション会場にマリアベルと共に向かったロイドとエリィは用意された席について、オークションが始まるのを待っていた。そしてしばらくするとワジがロイド達に近づいてきた。
「ああ、ここにいたのか。」
「あら、ワジ君。」
「先程のご夫婦を見かけたけど………無事、仲直りできたみたいだな?」
「フフ、そうみたいだね。これで僕も晴れてお役御免になったところさ。」
「そうか……よかった。」
「ふふ、お疲れ様。」
「ふふ、面白い方とお知り合いみたいですわね?」
ワジとロイド達が会話をしているとマリアベルが口元に笑みを浮かべながら尋ねた。
「ああ………えっと、こちらの彼は―――」
マリアベルの言葉に頷い
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