第62話
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〜夜・ハルトマン議長邸〜
「な、なんだここは………」
「ハルトマン議長邸………噂には聞いていたけどこんな壮麗な建物だったなんて。」
「ああ………想像以上だったな……(ハルトマン議長………それに”ルバーチェ”………ここまで大物だったのか。)」
「―――ようこそ、お客様。”黒の競売会”へようこそ。お客様は………初めてのご来場でございますか?」
ロイドとエリィが話し合っていると一人の執事が近づいて来て尋ねた。
「ああ、そうだけど。」
「オークションは午後9時から、正面にあるホールにて開催を予定しております。それまでの間、左手にあるサロンで饗応の用意をさせて頂いておりますのでお酒やお食事などをお楽しみください。ちなみに今宵、当館にお泊りになるつもりはございますか?」
「あ、いや………ホテルに部屋を取っているし知り合いを待たせているからね。今回は遠慮させてもらうよ。」
「かしこまりました。もし気が変わられた場合、すぐにお部屋を用意いたしますので遠慮なくお申し付けになってください。なお、邸内はご自由にご観覧いただいて結構ですが………幾つかの区画は立入りをご遠慮願っておりますのでどうかご容赦くださいませ。」
「ああ、わかったよ。」
「ふふ………丁寧な案内、ありがとう。」
執事の言葉にロイドは頷き、エリィは微笑んだ。
「いえ、何かあったらわたくしや他の使用人に遠慮なくお申し付けください。それでは………」
2人の言葉に答えた執事は頭を下げた後、ロイド達から離れて行った。
(オークション開催まで2時間くらいはある……一通り屋敷の中を回ってみよう。)
(ええ、わかったわ。)
その後ロイドとエリィは屋敷内の探索を開始し、ある広間に入った。
「だ、だからその……誤解だと言っているだろう?こちらの女性とはただの仕事上の付き合いでね………」
「いいえ、誤魔化されませんから!様子がおかしいと思ったらやっぱり他の女性と一緒に来ていたなんて……!」
ロイド達が大きな広間に入るとそこにいは男性と女性が言い合いをし、その様子をワジが見守り、ロイド達はワジに近づいた。
「やあ君達。無事には入れたようで何より。」
「おかげさまでね。……それより、これは何の騒ぎなんだ?」
「フフ………ご覧のとおり修羅場ってヤツさ。」
ロイドに尋ねられたワジは静かな笑みを浮かべて答えた後、ロイド達と共に言い合っている男性達に視線を向けた。
「―――き、君だってそんないかがわしい格好の少年と一緒にいるじゃないか!ま、ま、まさか、そういう関係なのか……!?」
「その子は困っていた私を手助けしてくれた恩人ですわ!クロスベルに来て
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