第62話
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オークションで出品されるのを楽しみにして頂けるかと。」
「……ああ、もちろん期待しているよ。――――それじゃあ戻ろうか。」
「ええ、わかったわ。」
そしてロイドはエリィと共にその場に去りかけたが
ミツケテ
聞き覚えのない少女の声が頭に響いてきた。
「え………」
声を聞いたロイドは驚いて振り向き
(………ロイド?)
ロイドの行動を見たエリィは不思議そうな表情で見つめた。
(いや……ゴメン、何でもない。早くここを離れよう。)
そしてロイドとエリィは別の場所の探索を開始し、さまざな場所を見て周り………その途中でキリカやレクター、さらにレン達とも出会って会話をした後オークション会場がどういう所なのか見る為に中央フロアに向かった。
「フン、妙だな。てっきり何か仕掛けてくると思ったんだが………」
「今の所は異常ナシですね。さすがの”黒月”や”ラギール商会”も、ハルトマン議長の顔を潰すような真似はしないんじゃないですか?」
「馬鹿野郎、連中を甘く見るな。”銀”はもちろん、あのツァオも有能すぎて組織の長老どもから疎まれているって噂の切れ者、そして”ラギール商会”の連中はメンフィル帝国に有能とされている連中だ。気を抜いていると喉笛に喰い付かれるぞ。」
「は、はい……」
「しかし、今回の競売会は妙な感じがしやがるな………”黒月”や”ラギール商会”以外にも、どこぞの連中がチョロチョロと紛れ込んでいるような………そんな気配がしやがるぜ。」
「え、えっと……それも戦場で培った猟兵としてのカンですかい?」
「………まあな。クク……俺もヤキが回っちまったか。このまま何も起こらずに終わるに越した事はねえんだが………どうにも血が疼きやがるぜ。久々に”狩り”がしたい気分だぜ。」
「は、はは……」
ガルシアとマフィアが会話をしているとロイド達がフロアに入って来た。
「あ………」
(マフィアの若頭………!)
ガルシアを見たロイドとエリィは足を止めた。
「おっと、こいつは失礼。当会場の警備を担当しているガルシア・ロッシといいます。防犯のため見回っている最中でして、お見苦しいでしょうがご容赦を。」
「……いや。見回り、ご苦労さまだね。」
(何とか凌がないと……)
ガルシアに見つめられたロイドが苦笑している中、エリィが考え込んでいるとガルシアがロイドに近づいてきた。
「あん?お客さん、どこかで見かけたことがあるような…………ん〜?……」
「……気のせいじゃないかな?あなたみたいな大柄な人、一度見たら忘れないだろうしね。」
「はは、そうかもしれませんな。ふむ………念の為名前を伺ってもいいです
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