第60話
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「ええ…………あれほどの館を維持できるなんて、一体どれほどの財力を持っているのでしょうね……?」
ハルトマン議長邸を見たロイドは驚き、シャマーラとエリナ、セティはそれぞれ議長邸を見つめていた。
「まあ、クロスベルでは昔からの名士の家系だから………あの屋敷も、百年近く前、帝国の統治時代の総督邸として建てられたものだと聞いているわ。」
「それにしたってデカすぎだろ。帝国の大貴族じゃねえんだから。」
エリィの説明を聞いたランディは溜息を吐いた。
「あんな場所を使って開かれるという”競売会”………相当、大規模なものみたいですね。」
「ああ―――あれは……!」
そしてティオの言葉にロイドが頷きかけたその時、マフィア達とガルシアが入口から現れ、それを見たロイド達は物陰に隠れた。
「―――警備の手筈は例年通りだ。だが、今年は”黒月”や”ラギール商会”どもが仕掛けてくる可能性も考えられる。招待カードを持ったヤツ以外は誰であろうと通すんじゃねえぞ。」
「承知しました!」
「若頭の方はどうされます?」
「俺は屋敷内部の警戒に当たる。何しろ神出鬼没なヤツだ。警戒しすぎる事はねえだろう。………そういえば、出品物は全部搬入されたのか?」
「ええ、今朝方。例の人形が最後みたいですね。」
「今回の目玉の一つか……どれだけの値がつくことやら。まあいい、開場まであと数時間だ。くれぐれも気を抜くんじゃねえぞ………!」
「はい……!」
「お疲れ様です!」
マフィア達に指示をしたガルシアは屋敷の中へ入って行った。
「―――出やがったか。あのオッサンも早速、中に詰めているらしいな。」
「たしかガルシアという元猟兵の若頭さんでしたね。」
「パーティの開場はたしか夜の7時から………もう警備を始めるみたいね。」
一方その様子を物陰に隠れて見ていたランディ達はそれぞれロイドに言った。
「ああ………それだけ警戒してるんだろう。………しかし参ったな。いくら招待カードがあっても簡単には中に入れなさそうだ。」
「ルバーチェと戦ったりして、あたし達の顔も知られているしね〜。」
「……私達だとわかれば、面倒事が起こるのは間違いなしですね。」
そしてロイドの言葉にシャマーラとエリナは頷き
「何か手立てを講じる必要がありますね………」
セティは考え込んでいた。
「…………………とりあえずいったんここから離れよう。ここで連中に見つかったら元も子もなくなりそうだ。」
「そうね。」
ロイドの提案にエリィは頷き、仲間達と共に去りはじめたその時
ミツケテ
何かの声がロイドの頭に響いてきた。
「え……
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