特別篇その1 王子の初陣
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下、追撃と言われましても、我々に竜騎兵などの機動戦力は持ち合わせてはおりません」
マクシミリアンが追撃を提案するが、ラザールが追撃用の機動戦力が無い事を説明した。
マクシミリアン軍は歩兵と砲兵、補給隊のみで編成されていて、騎兵と言った機動戦力が無い。
「僕の人馬ゴーレムを騎兵代わりに使う。それなら問題ないだろう?」
マクシミリアンとラザールが話していると、ジェミニ兄弟が会話に入ってきた
『我らジェミニ兄弟は、殿下の案を指示いたします』
「だ、そうだ。ラザールどうする?」
「……分かりました。私も殿下の案を指示いたしましょう」
「ありがとう! 人馬ゴーレム達、追撃戦に移れ!」
マクシミリアンが指令を出すと、上半身がウィング・フッサー、下半身が馬の人馬ゴーレム達は無言のまま丘の上に横一列に立ち、逃げる傭兵目掛けて逆落としを行った!
逃げる傭兵達に追撃を行った10騎の人馬ゴーレムは、青銅製の羽飾りをジャラジャラ鳴らしながら一気に丘を駆け下りる。
その速度はサラブレットよりは遅いものの、人間の足よりは遥かに速かった。
「何だあれは!?」
「追撃だ! 逃げろ逃げろ!」
羽飾りの音と全長3メイルの人馬ゴーレムの姿は心理的効果抜群だった。
「敵の数が多すぎる。足や腰を狙って倒す事よりも動けなくする事を目的にするんだ!」
『……』
人馬ゴーレムは、忠実な騎士の様にマクシミリアンの命令に従い、無言のまま得物をランスからサーベルに持ち替えると、逃げ遅れた傭兵の頭に振り下ろした。
「ぐえぇ!」
「ぎゃああああ!」
傭兵達の悲鳴と、馬蹄が大地を蹴る音だけが、この小さな丘のBGMだった。
武器はサーベルだけではない。
ランスのまま、逃げる傭兵の背中を突き上げ空中へ放り上げられたり、青銅の馬蹄で背骨や頭蓋を砕かれたりして、傭兵たちは命を落としていった。
ランスや馬蹄の一撃で即死できれば幸運で、死ねなければそのまま空中へ放り上げられ、何処かの骨を折って動けなくなった所を、遅れて追撃に来た歩兵隊に殺された。
マクシミリアンの初陣は、ミニエー銃の性能で終始傭兵団を圧倒し、死者はゼロ、負傷者は射程距離を越え殺傷力の無くなったマスケット銃の銃弾でたんこぶを作ったり、転んで足の骨を折ったりと数人が負傷しただけだった。
……
傭兵団は壊滅し、小さな村は間一髪のところを救われた。
およそ三時間後。
マクシミリアン軍が丘から去ると、次に動き出したのは今まで羊の様に怯えていた村人達だ。
30人足らずの村人達は、国から支給された鉄製の農業フォークといった農具や斧を手に、落ち武者狩りに動き出した。
「おめぇら用意
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