第54話
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うけどね。」
「否定してくれよ………」
ティオの言葉を聞いて笑っている3人の答えを聞いたロイドは溜息を吐き
「………ふふ………」
4人の様子を見たティオは微笑んだ後、ベッドに座り直し話し始めた。
「ロイドさんには前に少し話しましたが……わたしは5歳の頃、両親と離れ離れになりました。とある狂信的な宗教団体に拉致されることによって………」
「!?」
「あ………」
「………そいつは………」
「………………」
「その教団の真の教義や目的は今でもわからないそうですが………ただ彼らは、女神を否定し、悪魔を崇拝することで何かを得ようとしていました。わたしを含めた他の子供たちは………その”供物”だったんだと思います。」
「供物………」
ティオの話を聞いていたロイドは真剣な表情で呟いた。
「供物といっても生贄とかじゃありません………そんな目に遭った子もいたのかもしれませんが………その教団は、幾つかの拠点を持ちロッジごとに様々な方法での”儀式”を試みていたようでした。そしてわたしが連れて行かれたロッジで行われていたのは………”儀式”という名の人体実験でした。」
「じ、人体実験………!?」
「ひょっとして、お前の感応力のことか……?」
(そう……そしてレンやユウナの”能力”も………)
ティオの口から出た信じ難い話に仲間達が血相を変えている中、レンは目を伏せて黙り込んでいた。
「………はい。薬物を投与され………全身にセンサーを付けられ………考え付く限りのやり方で五感を高める試みが行われました。さらには強制的な暗示と精神的な負荷をかけることで霊感のようなものまで高められ………3年間……それが毎日のように続きました。」
「………あ………」
「……そ、そんな………」
「「………………………」」
「それでもわたしは………幸運な方だったのかもしれません。わたし以外の子は………全員が耐えきれませんでした。一人、また一人と周りから子供がいなくなって………ついに一人になった頃、わたしは手に入れていました………分厚い岩壁の向こうで他の子達が上げた最後の悲鳴を聞き取れるくらいの感応力を……」
「……っ………!!」
「ティオ………ちゃん………」
「………確かに……ティオの方はまだ幸運な方ね…………」
「………外道どもが………」
ティオの説明を聞いたロイドは唇をかみしめ、エリィは悲痛そうな表情をし、レンは疲れた表情で呟き、ランディは静かな怒りを抱いて呟いた。
「……………………―――そんな時でした。わたしのいたロッジにロイドさんのお兄さんが………ガイさんが乗り込んできたのは。」
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