第54話
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話でもないと思うんだが………―――数年前、製薬業界の方面で奇妙な噂が流れた事があったんだ。とある狂信的な宗教団体が不思議な薬を造りだしたとね。」
「!!……………」
「きょ、狂信的な宗教団体………?
「七耀教会の異端的な一派……ということでしょうか?」
ヨアヒムの口から出た話にレンが血相を変えて厳しい表情をしている中、レンの様子に気づいていないロイドとエリィは戸惑いの表情をしていた。
「いやいや、そんな生易しい連中じゃなかったらしいよ。何でも女神の存在を否定し、悪魔を崇拝する……そんな教団だったらしい。」
「あ、悪魔を崇拝………!?」
「なんかいきなり胡散臭い話になったな………」
「…………………………………」
ヨアヒムの説明を聞いたロイドは驚き、ランディは目を細め、ティオは呆けて黙り込んでいた。
「はは、確かに僕も突拍子もない話だと思ったが。ただ、その薬の効能というのがちょっと気になってね………―――何でも悪魔の力を借りる事で人間の潜在能力を開花させ、運すら呼び込むものだったらしい。」
「そ、それって………!」
「今回の薬物の症状と同じ………」
「………………」
「あの………ヨアヒム先生………その薬の名前は………何か聞いていませんか……?」
ヨアヒムの話を聞いたエリィとロイドが血相を変えている中レンは複雑そうな表情で黙り込み、辛そうな表情で黙り込んでいたティオは表情を真剣に変えて尋ね
「ああ、何だったかな……そうそう、思い出した。”真なる叡智”――――そんな風に噂されていたかな。」
「……………っ……………」
(やっぱり………)
ヨアヒムの答えを聞くと表情を青褪めさせ、レンは目を伏せた。
「”真なる叡智”………」
「な、何だかとても思わせぶりな名前ですね………」
「まあ、余りに荒唐無稽だからすぐに消えた噂話だったけどね。ただ、去年リベールの異変で奇妙な組織が暗躍していたという噂話もあっただろう?今更ながら気になってね。」
(エステル達が言っていた”結社”のことか………)
(悪魔崇拝の教団………何か関係があるのかしら?)
ヨアヒムの疑問を聞いたロイドとエリィはそれぞれ考え込んでいた。
「―――いずれにせよ、蒼い錠剤の正体を突き止めるため、同業者には当たってみるつもりだ。ついでに、その噂についても何か続報がないか確かめてみるよ。」
「お、お願いします。」
「悪魔の力を借りる薬ねぇ………」
「うふふ、悪魔があるのだから逆に天使の力を借りる薬とかはないのかしらねぇ?
「……………………」
そしてヨアヒムの説明を聞いたロイド
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