第五章
[8]前話
「敗北はあろうが投降という言葉はない」
「ではどうする」
「また会おう」
これが博士の返事でした。
「黄金バット、今度こそは貴様に勝つ」
こう言ってです、そのうえで。
博士は煙の様に姿を消しました、博士が消えた後で。
自衛隊の人達も保安庁の人達もです、黄金バットに口々に感謝の言葉を贈りました。
「有り難う!」
「有り難う黄金バット!」
「今回も助けてもらったな!」
「よくやってくれた!」
しかしです、黄金バットは。
彼等に誇ることはなくでした。そのうえで。
何処かに飛んで去っていきました、その黄金バットを見てです。
自衛官の人達も保安庁の人達もです、こう言いました。
「流石だな」
「流石黄金バットだ」
「誇らず無言で去った」
「そうしたんだな」
「流石はヒーローだ」
「正義の怪人だ」
こう口々に言うのでした。
「素晴らしい」
「我々もああなりたいな」
「救っても奢らず」
「あの様に」
「全くだ」
司令も言うのでした。
「我々も黄金バットの様にならねばな」
「その通りですね」
「我々も見習いましょう」
「黄金バットを」
「そうしよう、では沈んだ戦艦の状況と博士がまだこの海域にいるか調べてだ」
そしてというのです。
「異常がなければ帰投だ」
「了解です」
こうしてでした、そうした状況を調べて。
艦隊は戦場を後にしました、三曹は海を見つつ一曹に言いました。
「無事解決しましたね」
「ああ、平和が守られたな」
「黄金バットによって」
「黄金バットが助けてくれたからな」
それでとです、一曹も言います。
「損害もなく戦艦を沈められたな」
「そうですね、ただフー=マンチェー博士がいて」
「他の怪人達もいる」
「平和はこれからも守らないといけませんね」
「そうだ、若し黄金バットがいなくてもな」
「俺達は頑張らないといけないですね」
「そうだ、そのことはいいな」
こう三曹に言うのでした。
「自衛官としてな」
「わかってます、この海に誓いますよ」
三曹は一曹に笑顔で応えました、そのマリンブルーの海を見ながら。
「俺達は俺達だけでも」
「ああ、平和を守ろうな」
「そうしましょう」
このことを誓うのでした、そして。
黄金バットはその彼等を何処からか見ながらです、安心した様子で悠然として次に行くべき場所に飛んで行くのでした。
第十話 完
2016・3・12
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ