第一章
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クバ王国の服
クバ王国と聞いてだ、財津琴乃は首を傾げさせた。
そのうえでだ、マネージャーの小坂亜美に問うた。
「昔あった国?」
「ええ、そうよ」
亜美は琴乃にすぐに答えた。琴乃のその面長で目がはっきりとしていて長い睫毛が目立つ顔を観ながら。黒髪は長く奇麗にセットされていてモデルらしく均整の取れた長身だ。亜美にしても黒の長いストレートヘアが目立ち目鼻立ちはかなりいい、紅の唇も黒目がちの目も奇麗なものだ。ズボンが実に似合うスタイルである。
「アフリカね」
「アフリカね」
「とはいってもあまり知らないわよね」
「アフリカはね」
どうもという顔でだ、琴乃は亜美に答えた。今は二人で事務所の中で次の仕事を打ち合わせをしている最中だ。
その中でクバ王国と言われてだ、琴乃は言うのだった。
「エジプトは知ってるけれど」
「この前お仕事で行ったからね」
「テレビでね」
旅行番組だった。
「行ったし有名な国だし」
「私も知ってるわ」
「そうよね」
「けれどこの国は知らないわね」
「アフリカの何処にあったの?」
琴乃は場所から聞いた。
「それで」
「コンゴ、今で言うザイールにあったのよ」
「西の方の国よね」
「ええ、ジャングルが深いね」
「何か今一つアフリカのどの場所の国かわからないけれど」
琴乃は今アフリカの地図を脳内に描いていた、おおよそのシルエットが浮かびエジプトの場所ははっきりとしていた、後は南アフリカとマダガスカル島もだ。
ジブチやエチオピアも描けた、だが。
その他の国のことはどうにもでだ、亜美にこう言った。
「北が砂漠で」
「サハラ砂漠ね」
「真ん中がサバンナでライオンや象やチーターがいて」
「ケニアの辺りよ」
「そうそう、ケニアって真ん中にあったわね」
ケニアの場所も曖昧だった。
「それでジャングルもあって」
「ザイールはそのジャングルの国よ」
「探検隊とか行ったりキングソロモンの洞窟とか」
「そんな話の舞台と思っていいわ」
「ターザンとか」
「そうそう」
「そうした世界よね、ただ」
ここまで話してだ、琴乃は亜美にあらためて問うた。
「どうしていきなりその国の名前出したの?」
「そのことね」
「まさかと思うけれど」
亜美の顔をじっと見つつ彼女に問うた。
「今度は」
「わかったのね」
「そのザイールに行くの」
「どう?」
「何か最近そうしたお仕事多いわね」
他の国に行くそれがというのだ。
「エジプトにしても」
「琴ちゃんが旅行趣味っていうから」
一個下の彼女をだ、亜美はいつも仇名で呼んでいるので今回もそう呼んでみせたのである。この辺り親しさも出ている。
「だから事務所の方もなのよ」
「モデル
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