第6章 流されて異界
第145話 星に願いを?
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るはず。おそらく、そんな物を聞きたい訳ではない。
そして、後付け。……ハルケギニアに召喚されてから色々と後付けされて行った設定。例えば身体に刻まれた聖痕や、オーディンの神話に繋がるオッドアイなどではない、俺の前世。それもかなり古い部分だと思われる記憶と、それに関係している星に関する伝承ならば、少し遠いけどない事もない。
ただ、その記憶が確実にその伝承に関係しているのかは不明だし、その記憶自体が俺の妄想から生まれた物の可能性もあるので……。
え、本当にそんな物があるの、とか、何処にあるのよ、それは。とか言いながら、蒼穹を仰ぎ見る腕の中の少女。
……って、自分から聞いておいて、その癖、本当にあるのって、流石にそれはあまりにも失礼やないか、このオンナ。
「ただ、今は見えない」
もっとも、俺の方も彼女のツッコミ待ちの答えしか返せないのが実情。
案の定……。
「まぁ、そりゃそうよね。所詮はその程度」
あんたでは見た目三等星以下がお似合い、と言う感じだし。
さも納得した、と言わんばかりに首肯くハルヒ。何と言うか、俺の曖昧な答えに対したとしても、これはかなり酷い言われ様だと思うのですが。そもそも、個人の見た目で示す星の等級が決まるようなシステムなのか?
それに、
「いや、俺が見えないと言った理由はソッチやなくて、季節が合わない、と言う方」
そもそも、俺を示す星は夏の星座に属する星。故に、真冬。それも冬至の頃は昼間の氷空にあるはずなので、この時間帯では見えない。
「星自体は真夏の夜空を探せば必ず見つかる。それぐらい有名な星やで」
オマエ、今年の夏に、その星に向かって何かを願った……と言う話を聞いたけど。
もっとも、俺の場合は誰かから聞いた訳ではなく、資料を読んだ、と言う方が正しいのですが。
「……って、あんたが彦星だって言うの?」
そんな馬鹿な話はないじゃない。あんたなんか天蓬元帥や捲簾大将で十分でしょ。
……おいおい、コイツ、ドサクサに紛れて何を口走っているんだ、と、そう聞き返したくなるような彼女の言葉。ただ、その内容は兎も角、彼女自身が驚いているのは間違いない。
「ひとつ教えて置いてやるが、天界的に言うとその二人は俺よりもずっと位が高い二人やぞ。その関連で言うのなら、俺は三蔵法師がまたがっているお馬ちゃんや」
但し、残念な事に俺はその二人との直接の面識はないのだが。お馬ちゃんの方も、白龍王に息子が居た……と言う話は記憶にはないので、未だインストールされていない部分の記憶に存在するのか、俺が当時の水晶宮を去ってから後に誕生したのか、そもそも、その存在自体が創作の部分なのかはっきりはしない。
ただ…
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