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詩集「棘」
夏草香る風に乗せて

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月のない空 星が瞬く
今なき人々の面影映し
遥かな月日に想い流離う

どうしてこんなに悲しいの?
− ここに君がいないから…
どこに向かって歩めばいいの?
− 暖かな陽の射す方へと…

なんて虚しいのでしょう…
恋とは一体…何なのでしょうか?

夏草香る風に乗せて
この想い…どこまでも…
梢を揺らし 雲を越え
愛しい君のところまで…


緑は輝き 鳥は羽撃く
生を謳歌する初夏の黄昏
淋しさを抱き独り眺める

心を癒すものはある?
− 見えない先の未来に…
いつまで堪えたら辿り着ける?
− 今は涙の流れるまま…

いつか振り向いてくれる?
愛とは一体…どんなものですか?

夏草香る風に乗せて
青空へ…舞い上がれ…
陽射しを受けて 煌めいて
恋心(オモイ)はきっと歌になる…

夏草香る風に乗せて
この想い…どこまでも…
梢を揺らし 雲を越え
愛しい君のところまで…

逢えない今の…淋しさを…




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