14話
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鬼火を起動させ重心を地面に向けると鬼神がそれに応えるかのように急降下を開始する。急速に近づく地面と全身が後方に引っ張られるかのような違和感。
「―――っ、この!」
頭が下に足が上にあるような状態だったが足の鬼火を点火し、カスタムウイングの鬼火を1度静止させる。
体勢をニュートラルに戻した僕はカスタムウイングの鬼火を再噴射させて、地面の方向にかかってる重力を打ち消す。下から上へと意識が振り回された。
地表から約15センチのところで僕は静止した。目標の10センチには到達出来ずに終える。
「悪くはないが専用機持ちのレベルではないな。が、普段から練習していることがよくわかる動きだ。これからも精進しろ」
織斑先生が僕の急降下と完全停止について講評する。まだ専用機持ちに値するレベルではないことに落胆するが、だが今回で感じた手応えは、まだまだ自分は成長できることを感じさせるものであったことに内心喜ぶ。
「……ふぅ」
「鬼一さん、お疲れ様です」
ため息をついて力を抜く僕の隣にセシリアさんが来て、ねぎらいの言葉をかけてくれた。
「ありがとうございます。まぁ、今はこんなものですかね」
そう言ってセシリアさんと一緒に一夏さんの急降下を眺める。凄まじい速度で一夏さんは降下してきて―――。
「……あっ」
白い弾丸が地面に着弾する。地面が大きく振動し土埃が舞い上がった。ここからでは分からないが、ISの質量であれだけの速度だ。間違いなくグラウンドにクレーターが出来上がっているだろう。……一夏さん、なにやってんだか。クラスメイトの皆、笑いすぎ。一歩間違えたら大惨事だったというのに。
「いってーっ、死ぬかと思った……」
「馬鹿者。誰が地上に激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする」
「……すみません」
織斑先生の叱責に気落ちしている一夏さんが謝罪する。
クレーターの中心にいる一夏さんはゆっくりと姿勢制御を行って上昇。白式が地面から浮き上がる。シールドバリアーのおかげで一夏さんに怪我はない。……しかし、このグラウンドどうするんだ?
「情けないぞ、一夏。昨日私が教えてやっただろう」
腕を組み、表情の険しい篠ノ之さんが消沈している一夏さんに追い討ちをかけた。……教えた? あれで? 教えたにしては随分とお粗末なものだったと思う。篠ノ之さんの教え方は、
『ぐっ、とする感じだ』
『どんっ、という感覚だ』
『ずかーん、という具合だ』
教え方に関しては人それぞれだと思うしそのやり方を否定しようとは思わないけど、だけど、一夏さんが理解できていないのは明白だった。自分の感性と人の感性を同じものだと捉えると今回のようなケースを起こすのも当然だろう。一夏さ
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