第2話
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しているのだが、口が上手く動かせない。
「え、えっと……」
まるで、母親から叱られて萎縮してしまっている子供の様にも見える光景。
司馬防は暢介が何を言おうとしているのか、その言葉が出るのを待っている。
やがて、数分が経った頃。
ようやく落ち着きを取り戻した暢介が告げる。
「司馬懿を……彼女を俺に下さい」
その言葉に、司馬防は飲んでいた茶を噴出した。
そして、せき込みながら暢介を見る。
「さ、鷺島くん。今の言葉だと、まるで久遠を自分の嫁に迎えたいって聞こえるんだけど」
「へ?」
暢介は自分の言葉を頭の中で繰り返した。
やがて、意味が分かったのか……暢介の顔は真っ赤になった。
「い、いえ! そういう訳じゃないんです。その、一緒に旅に出れたら心強いかなぁって」
「まぁ、そういう意味だったんでしょうけどね……焦ったわよ」
「すいません」
「いいわよ。それで、久遠を連れていきたいのね……知ってると思うけど、あの子は私の子供達の中で一番の才能を持っているわ」
「はい。それは聞いています。やっぱり、駄目でしょうか……」
暢介の言葉に司馬防は首を横にふる。
「駄目とは言っていないわ。あの子があなたと一緒に行きたいと言うのであれば私は止めないわ」
「それって……」
「あなたが久遠を説得出来たら連れて行っても構わないわ」
そこまで言った所で、司馬防は何かを思い出したのか付け加えた。
「あっ、言っとくけど弱みを握るとか脅迫とかしちゃ駄目だからね」
「やりませんよ」
司馬防の言葉に首を横に振りながら答える暢介なのであった。
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