第2話
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では下手に真名を口に出せば殺されるみたいだ。
気を付けなければ……
その後、文字の書き方やら読み方を学んでいると。
今度は司馬朗の方から話しかけてきた。
「そういえば、鷺島さん」
「はい?」
書く手を止めて司馬朗の方を見る暢介。
「あなたが持ってきていたアレなんですが、使い方はあれでいいんですか?」
「ええ。あれでいいんですよ」
司馬朗が言っているアレとは、暢介が持ってきたと思われているスポーツバッグに入っていた物で。
実際に渡されるまで、暢介自身も中身は知らなかった。
(そもそも、あのバッグは実家に置いて来ていた訳だからな……)
中に入っていたのは、服だったりノート、筆記用具など。
そして……
(何でサッカーボールが入ってたんだろうか……)
確かに実家に置いてきている物ではあるんだけども。
そして見た事の無い物が一杯あったのか、司馬家の方々がアレコレと質問をしていく中で。
このサッカーボールの説明をした後に……
「まさか、皆して夢中になるとは思わなかったけどね」
そう言って暢介は苦笑する。
「そうですね。しかも、一番楽しんでるの母上でしたからね」
司馬朗も苦笑を返す。
子供達に混ざってボールを追いかけている司馬防さん。
負けず嫌いな様で、子供達と争う姿をここの所、頻繁に見かけている。
「年齢の事も考えて、あんまり張り切らなくてもいいと思うんですけどね」
苦笑したまま司馬朗は言う。
「年齢ね……」
暢介の脳裏に、あの時の薄い笑みで目が笑っていない司馬防の姿で浮かんでくる。
「どうしました?」
「いや……実は……」
暢介は司馬防が言った言葉を司馬朗に話す。
話し終えた所で司馬朗はフフフと笑う。
「その話は、母上が良く使うんですよ。実際は、そんな事は無いんです」
「え? そ、そうなの」
「勿論ですよ。大体、母上は父上以外の男性に身体を許した事は無いんですから」
……しかし、若い女性ならあり得るんじゃ……という、暢介の直感は無視しておく。
「母上が若く見えるのは、努力の成果でしょう」
「努力ね……」
まぁ、吸い取るって事が嘘というならそれでいいかと暢介は納得しておいた。
深く詮索する必要は無いだろう。
「さて、私が教えられるのも残り少ないですし、勉強を続けましょう」
「了解」
そう言って、再び書き始めた。
やがて、司馬懿が家に戻ってくる頃には暢介は基本的な文字の読みは出来るようになっていた。
ただし、書く部分に関しては、まだまだ勉強する必要
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