第2話
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それは、司馬防さんがとても若く見えましたので」
「あら。お世辞が上手ね。こんなおばさんに」
私は40超えてるのよ、そういってクスクス笑う司馬防。
「そ、そうだったんですか」
「まぁ、色々とやってるのよ。若さを保つ秘訣って何か分かるかしら?」
司馬防の問いに暢介は首を横に振る。
正直言って、分からない所だったからだ。
「単純なものよ。若い男もしくは女性の精気を吸い取るのよ」
「す、吸い取る?」
思いがけない答えに暢介は思わず聞き返した。
「ええ。若い人間の精気を多く手に入れるだけで若さというものは保てるものよ」
そう言っている司馬防の表情は薄い笑みを浮かべている。
しかし、笑みの中で目は笑ってはいない。
暢介の身体がビクッと震える。
冗談には聞こえない、そんな雰囲気が部屋を包み込んでいる。
「ふふ。話は終わりよ。鷺島さん、部屋に戻ろうとしてたのよね。ごめんなさい」
「い、いえ……それじゃあ」
そう言って暢介は部屋から出ていった。
「……」
「……」
翌日から始まった勉強、暢介は司馬朗の指導の元、黙々と勉強に励んでいた。
司馬懿は『憂鬱だなぁ』と言いながら相手の元へ行ったようだ。
勉強と勉強の間の休憩時に、司馬家の人達にも会った。
やはり全員髪の色は銀色だった。
そうして数日経ったある日……
「そういえば、司馬朗さん」
「はい? 何か分からない文字がありましたか?」
「いえ、これとは直接関係ない事なんですけど……名前についてなんですが」
「?」
首を傾げる司馬朗。
「あなたの名前、司馬防さんや司馬懿さんは別の名前で呼んでましたけどアレは一体?」
「真名の事かしら?」
「真名? そういうんですか」
「ええ……ひょっとして鷺島さんの所には……」
「はい。俺のいた所では真名という考えは無いので……それで真名というのは」
「真名というのはその人の全てと言っていいものです。本人が認めた相手以外がその名を呼んだ場合は殺されても文句は言えません」
その言葉に暢介は少しだけ固まった。
「という事は、俺が今、司馬朗さんの真名を言ったら」
「問答無用で殺しますよ」
と、笑顔で告げる司馬朗。
「気をつけます……」
笑顔の司馬朗に冷や汗をかきながら答える暢介。
暢介自身の経験だが、親しい相手の名前で呼ぶか、名字で呼ぶかで悩んだことがあった。
その時は、名前で呼ぶことを選んだが、相手の微妙な表情を覚えている。
まぁ、それでも殺されることは無かったが、ここ
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