第2話
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遠。あなた、目が覚めたらとっとと追い出すつもりだったのかしら?」
「そ、そんな事は考えてませんでしたけど……」
少し司馬懿の表情が曇る。
その表情に暢介と司馬防は首を傾げる。
「母上は、鷺島さんに文字を教える役目を僕に任せるおつもりですよね」
「当然よ。あなたが保護したのだから面倒を見なきゃ」
「……僕、明日には家を出ないといけないんですが……」
司馬懿の言葉に司馬防は何かを思い出したのか『しまった』という表情を浮かべる。
「そういえば、あの男の所に行く予定になってたのよね……あいつには何度も断りを入れてたってのに」
どうやら、良い関係では無い相手の所に明日から司馬懿は行く事になっているようだ。
「となると……永遠かしら? でも、あの子はまだ若いし……私が教えても構わないけど……あっ」
視線を動かしていた司馬防が、机にある手紙を見た所で視線が止まった。
そして、笑みを浮かべると。
「いいのがいたわ、あの子が戻ってくるんだったわ」
「あの子って……母上、それって理遠姉ですか?」
「そうそう、今日から1週間程、戻ってくるって手紙が来ててね。丁度よかったわ」
どうやら司馬懿が不在中の暢介への教育係が決まったみたいだった。
そんな中、ドアがノックされ、部屋の中に入ってきた人物がいた。
「母上、ただ今戻りました」
「おかえりなさい理遠。丁度あなたの話をしてたのよ。ねぇ久遠」
「はい。えっと……理遠姉、おかえりなさい」
「ただいま久遠……それと……」
理遠と呼ばれた女性が暢介の方を見る。
この家族全員なのかもしれないが、彼女もまた、髪の色は銀色で短い。
それよりも暢介が驚いたのは。
(この子……背が高いな)
暢介の身長は175cmなのだが、彼女も同じぐらいある。
「彼は久遠が砂漠で倒れてたのを保護した人よ。ねぇ久遠」
「はい」
その後、色々と暢介の事を話すし、互いに自己紹介をすませた。
理遠と呼ばれた彼女は、司馬朗という名前だった。
「勉強する部屋は、あなたが眠っていた部屋でいいわね。あそこは空き部屋だった訳だし」
勉強する内容や場所、時間等を決めて、話が一段落ついた所で。
司馬朗は、荷物の整理等があるので部屋を後にし、司馬懿も翌日からの準備をする為に部屋を出ていった。
「それじゃあ、俺も部屋に戻ります」
そう言って暢介も部屋を出ようとした所で。
「そういえば、あなた。私と久遠が血が繋がって無い親子じゃないかって何で思ったのかしら?」
呼び止められた暢介は司馬防の方を向くと。
「
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