第59話
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エリィは微笑み、ティオは静かな表情で頷いた。
「はは、違いない。―――おっと、昨日の確認をしに来たんじゃないんだ。あんた達にお届け物だよ。」
「え………」
「警察本部からですか?」
「いや、何でも朝一番で速達で入ったらしいけど………はいこれ、受け取って。」
そしてロイドは青年から小さな小包を受け取った。
「これは………?」
「ずいぶん小さなものだけど………」
「それじゃあ、確かに渡したぜ。配達があるんで俺はこれで失礼するよ。」
「おお、お疲れさん。」
「また迷子に忍び込まれないよう気を付けてください。」
「はは、肝に銘じとくよ。」
ティオの言葉に苦笑した青年はビルを出て行った。
「………………………」
一方ロイドは小包を見つめて黙り込んでいた。
「それで、結局誰からなんだ?」
「―――差出人の名前がある。”仔猫”からみたいだ。」
「えっ……!?」
「レンさんから………」
ランディの疑問に答えたロイドの話を聞いたエリィとティオは驚いた。その後ロイドは仲間達と共に机に座って、小包を開いて入っていたもの―――メッセージカードと金の薔薇がついた漆黒のカードを取り出した。
『―――昨日のお礼にそのカードをプレゼントするわ。面白い出物があるみたいだから覗きに行こうと思って手に入れたんだけど、1枚お兄さん達に譲ってあげる。うふふ、有効に使って頂戴ね。』
「”黒の競売会”の……!」
「ど、どうしてあの子がこんなものを………!?」
金の薔薇のカードを見たロイドとエリィは驚き
「確か、各国のVIPにしか贈られない招待カードだったよな?今はメンフィル皇女だって話だから、持っていてもおかしくないんじゃねえか?」
「それ以前に………どうして、わたしたちがこれに関心を持っているのを知っていたんでしょう………」
ランディは納得した様子で呟き、ティオは考え込んでいた。
「………―――あの子に関しては深く考えても仕方なさそうだ。それより……このカード、本物だと思うか?」
「そうね……高級感のあるあつらえといい、本物である可能性は高いと思うわ。」
「金色の薔薇の刻印……本物の金箔が使われていますね。」
ロイドに尋ねられたエリィは答え、セティが漆黒のカードを見て説明を補足した。
「本日夜7時、保養地ミシェラムのハルトマン議長邸にて開催、か。」
(………まさか、招待カードを手に入れるなんて………)
そしてランディはカードに書かれてある内容を読み、ルファディエルは真剣な表情で考え込んでいた。
「………――なあ、みんな。課長にはあんな風に釘を刺さ
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