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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
第55話
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れないし………」

「でも………でも……!あの時みたいな事があったら………!」

「大丈夫だ………!もう絶対にあんなことは………!」

(あの時………?)

(何か事情があるみたいね………)

真剣な表情で言い合っている2人を見たロイドは首を傾げ、エリィは辛そうな表情で見つめていた。

「………すみません、取り乱してしまって。その………ちょっと事情がありまして………」

「いや、気にしないでください。そうだ………写真の他に普段コリン君が持っているような品物はお持ちではないですか?うちには警察犬もいますので匂いで辿れるかもしれません。」

「おお………!」

「じゃ、じゃあこれを………!あの子の持っていたぬいぐるみです!」

ロイドの話を聞いたハロルドは声を上げ、ソフィアは必死の表情でロイドにぬいぐるみを渡した。

「あ………”みっしぃ”のぬいぐるみですか。」

「それではお借りしておきます。」

「ま、焦ったって仕方ねぇ。街の中にいる限りは安全だろうし俺達にドンと任せてくださいよ。」

「は、はい。ありがとうございます。それでは皆さん………息子をよろしくお願いします。」

そしてハロルドとソフィアはロイド達から去って行った。

「さてと………どう手分けするかだけど。その前に……」

「………はい。呼んでみます。……思念波増幅……ツァイト……来て……!」

ハロルド達が去った後ロイドに視線を向けられたティオは導力杖を構えて何かをした。すると

「グルル………」

ツァイトがロイド達に近くにどこからともなく現れた。

「ツァイト、来てくれたか。」

「ふふ、お疲れ様。」

「グルルル……ウォン。………グルルル………」

「『自分が来たからには大船に乗った気分でいるといい。その幼子の匂いは完璧に嗅ぎ当ててみせよう。』―――だそうです。」

「た、助かるよ。っていうか、来たばかりなのになんでそんなに詳しいんだ………?」

「やれやれ。相変わらずとんでもねぇヤツだな。」

ツァイトの言葉を伝えたティオの話を聞いたロイドとランディは苦笑していた。

「まあ、それはともかく。セティちゃん達やルファディエルさん達にも手伝ってもらった方がいいのじゃないのかしら?」

「そうだな………人手は多い方がいいし、何より空からの捜索は見つけやすいだろうしな。俺はルファ姉に連絡するから、エリィはセティに連絡してくれ。」

「わかったわ。」

そしてロイドとエリィはエニグマを通信モードにして、それぞれの相手にかけた。

「あ、ルファ姉?」

「ロイド?一体どうしたの?」

通信が繋がったルファディエルにロイドは事情を説明した。

「そう………ただ、こち
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