第1話
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どうも会話がかみ合って無い気がする。
日本で自己紹介する際に、字は無い訳だからだ。
(ここって、日本じゃない?)
そんな考えが暢介の頭の中で少しずつ膨らんでいく。
「じゃあ、僕の方も自己紹介をしておきますね」
そう言って女性は一呼吸入れると口を開いた。
「僕は、姓は司馬、名は懿、字は仲達と申します」
自己紹介をし頭を下げている女性の言葉に暢介の頭の中は更に混乱していく。
もしも、頭から湯気とかが出るならば、今頃暢介の頭の上は凄い勢いで湯気が出ている事だろう。
「あ、あの。鷺島さん。大丈夫ですか?」
心配そうな表情を浮かべて女性、司馬懿が暢介の顔を覗き込んでくる。
「だ、大丈夫。ちょっと混乱しててさ……多分、寝起きだからかな」
かなり苦しい台詞だったが、司馬懿は納得したのか頷くと案内を続ける。
頭を抱えながら暢介は司馬懿の後に続く。
「ここです」
そう言って司馬懿は扉を叩く。
すると……
「誰かしら?」
「久遠です。保護した男性が目を覚ましましたのでお連れしました」
暢介は司馬懿が言った『久遠』という言葉に首を傾げる。
……さっきの自己紹介の時には出てこなかった名前なのだが……
「いいわよ。入りなさい」
「はい……それじゃあ、鷺島さん、行きましょう」
司馬懿の言葉に暢介は頷く。
それを見て司馬懿は扉を開ける。
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