10.グッバイひこざえもんプロジェクト進行中
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のですが……それでは鈴谷のがんばりを無下にしちゃいますしね」
なんという慈悲深きオオヨドエル……おい鈴谷、恐れ多くもこの大天使オオヨドエルはお前にすらお慈悲をおかけあそばされてらっしゃっておいでだぞ。この場に鈴谷がいないのが残念だ。ヤツがいたらそれこそ盛大に恩を売っておいてもよかったのに。
「私達のためにここまでしてくれる和之さんと、私たちと和之さんを繋いでくれた鈴谷への、私たちからのお礼だと思ってください」
この大天使オオヨドエルの一言を聞いて、……そして彼女の優しい微笑みを見て、僕は涙が出そうになった。なんというお慈悲……天使は確かにここにいた。ここにいたのだ。
「ありがとう……大淀さんありがとう……ひぐっ……あなたは僕の天使です……ひぐっ」
「ただいまー!! 文化会館の案内状とキャンプ場の予定表もらってきたよー!!」
僕が涙腺をゆるめて鼻水をちょうど垂らしているところに鈴谷が帰ってきた。鈴谷はそんな僕を見てクスクス笑い始め……
「ちょっとどうしたのかずゆき……ぶほっ……ヤバいチョー受ける……ぐはっ……」
だまれ鈴谷。僕は今神様の愛を一身に受けていたのだ。神の愛に触れていたんだよ鈴谷。
「なにそれ鈴谷意味分かんないんですけど……デュフッ……」
「黙れ鈴谷ッ! 今日こそ逆ロメロで折檻してやるッ!!」
「うひゃー大淀さんタスケテー。鈴谷がかずゆきに襲われるー」
「黙れッ! こっちこいッ!!」
「ちょ……かずゆき大胆すぎる……!」
「誤解を招く言い方はやめろッ!」
逃げ惑う鈴谷とそれを追いかける僕。そしてその様子を微笑ましく見つめる大天使オオヨドエル。……こんな感じで“グッバイひこざえもんプロジェクト”は滞り無く順調に進んでいった。
爺様、待っててくれ。もうすぐ孫娘たち全員とお別れさせてあげるから。婆様にそっくりな摩耶さんと、シッカリお別れさせてあげるから。
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