暁 〜小説投稿サイト〜
忘れ形見の孫娘たち
10.グッバイひこざえもんプロジェクト進行中
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上だよー?」
「こわっ……」

 これは予算配分を見なおしたほうが良いかもしれんな……。

「あ、そうそう。大淀さんからも提案があってさ」
「うん」
「『会場にうちの鎮守府を使うのはどうですか? キリッ』だって」
「その『キリッ』てのは勝手に付け加えたんだろう?」
「違う違う。ホントに、こう……『キリッ』て感じでメガネクイッてしながら言ってた」

 確かにホントはそうさせてもらえると、出費という意味では大助かりなんだけど……できれば爺様が住んでいたこっちでやりたいんだよなぁ……。

「ちなみにさ。仮にこっちで告別式やるってなったら、鈴谷たちはどうやってこっちに来るの?」
「んー……特に決めてないけど、大淀さんならなんとかするんじゃん?」

 まー、あの人ならなんとかするだろうな……よし決めた。会場はこっちだ。明日には大淀さんもこっちに来る。それまでに何をやるかを決めておかないとな……。

 こんな具合で、ぐっばいひこざえもんプロジェクトは順調に進行していった。涼風たち以外の要望も見てみると、皆様は基本的に食事か遊びのどちらかをご所望のようだ。

 ……ならばキャンプ場を貸しきってしまい、そこで一日遊んだり食事したりするのがいいだろう。候補としては……宝永山そばにある『わくわく大自然キャンプ場』がいいだろう。貸しきってしまえば他の客からの苦情もないはずだ。あそこならそばに川泳ぎ場もあるからみんなで遊べる。うちの近所の川はホタルが出るから遊泳禁止だしな。恥ずかしすぎるキャンプ場の名前はこの際ガマンだ。

 肝心の告別式に関しては近所の文化会館を借りる。調べてみたところ平日の半日であれば比較的安価な価格で借りることが出来る。

 食事は……焼き肉というかバーベキューでいいだろう。あれならこっちは材料を準備さえしておけば問題ない。ならば肉屋と八百屋と魚屋を巡らねばなるまい。

「鈴谷」
「はーい?」
「これから肉屋と八百屋と魚屋に行くからついてきてくれ」
「りょうかーい」
「鈴谷の値切り交渉に期待だっ!!」
「任せといてよ!」

 鈴谷を引き連れて肉屋と八百屋と魚屋に向かう。理由は二百人分のバーベキューの材料の取り寄せが出来るか確認するためだ。僕が『二百人』という数字を出した途端に店主(男)たちは冷や汗をかき、『無理に決まってるだろう』という表情をしていたのだが……

『ねーおぢさん。なんとかならない?』

 鈴谷を連れて来て正解だった。この女子高生は意識的にか無意識的にかは分からないが女子高生という己の武器を最大限活用し、次々と店主を籠絡させていく。鈴谷の虜になってしまった店主たち(男ども)は鼻の下を伸ばし、鼻の穴を広げ、フンハーフンハー言いながら食材の準備を約束してくれた。そしてそのたびに
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