暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
ディケイド 〜蒔風の本質〜
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やかだった。


「ガキを人質に取るのはダメだよなぁ?」

ゴキキキキ!!

「ぬっが!!」

さらにアポロガイストの右手の指をすべてへし折る。
その痛みに呻くアポロガイストに、

「だからそんな叫びはいらないから「ごめんなさい」って言えばいいんだよぉ・・・わかってるのかい?」

アポロガイストの痛みに堪える声と、蒔風が身体を破壊していく音が淡々と、鈍く、響き渡る。


そして三十分ほどたってから、アポロガイストは知った。

この男はヤバすぎる。
悪とか善とか、そんなものじゃない。
そんなカテゴリーには当てはまらない。

独裁、慈善、復讐、義理、偽善、救済、破滅、善、悪、情、志、歪み、狂気、理性、本能、衝動

そう言った一切の概念すべてをこの男から感じる。
故にこの男は完璧に偽装するのだ。
誰から見ても「まとも」に見えるのだ。

だが違う。

この男は何か一つのきっかけがあればどちらにも転ぶ男だ。
今は大きなきっかけがあったようで大丈夫だが、もしそれ以上の「なにか」があれば、あらゆるものにこの男は身を変えるだろう。




この男はすべてを理解し、すべてをその身に宿して、それでいてまともなように振舞っている異常者だ・・・・






それを知った故に、アポロガイストはもう抵抗することを止める。

「すまなかった・・・・」

「あん?」

「すまなかった!!私が悪かった。だからもう(ベギッ)ギイイイイイイイイイ!!!」

そのアポロガイストを楽しそうに踏みつぶし、アバラに当たる部位を砕く蒔風。

「ちがぁうんだよぉ。オレが求めてんのは「ごめんなさい」、だ。それ以外の言葉は求めてないんだよ」

「あ・・・あ、あ・・・」

そこからさらに拷問が始まった。


「ごめんなさい」の一言、たった六文字言うのにアポロガイストはさらに二時間費やした。
というのも、「ごめんな」や、「ごめ」の時点で蒔風がいきなりアポロガイストの体を砕き

「最後までちゃんと言ってくれないとオレわか〜んな〜い」

と言って先に進ませないからだ。

それでもアポロガイストは死ねない。
改造人間であるその体は、その程度では死ぬことができない。

むしろ一番最初に砕かれた個所はすでに治ってきているところだ。


「いいねえ。便利だねえ。これなら殺すことなく痛めつけられる。オレが「殺さない」って言うのは、こう言うこともあるんだよなぁ。生きてる方がよっぽどつらいってな!」

そう言って恍惚に笑う蒔風。
その間にアポロガイストはついに言ってのけた。


「ご・・ごめんな、さい・・・・・」

そう言ってアポロガイストは力を抜く。
これで解放され
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