第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
ディケイド 〜蒔風、少しキレる〜
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海と蒔風が言う。
その言葉に、源太が黙る。
確かにその通りだ。
今までだってあれだからこうだ、なんて思いこみで失敗してきたことは多かった。
それをこんな場所であらためて言われて、源太が少し落ち込む。
「それに、泥棒なら知ってます」
「居場所も知ってるって言ったろ。この直情バカが。全く昨日は少しは見所があるかと思ったんだがな」
「ホントにか!?あとバカとはなんだ兄ちゃん!!」
夏海の言葉に嬉しがり、蒔風の言葉に少し怒る源太。
喜怒哀楽の激しい奴である。
そこにさらに蒔風が追撃を掛ける。
「バカはバカだ。いや、「バカ」という単語を使うこと自体、「バカ」という単語そのモノに失礼だな。しかし残念なことに「バカ」としか言い表せないんだから、そう言うしかあるまい?だから「バカ」と言われるたびに「あまりにも愚かで「バカ」としか呼ばれようにない自分を許してください」と馬と鹿とこの言葉を作った古代人に向かって謝罪しておけ、バカ。とっとと博物館と動物園に行って謝ってこい。頭ン中もキンピカピーですか?コノヤロー」
その蒔風の言葉に夏海が若干引いて、青ざめている。
士すらも、うわこいつひでえ、といった顔をしている。
「蒔風さん・・・それはちょっと・・・」
「蒔風、それは言い過ぎだ」
二人が蒔風に注意する。
「そうか?こう言った理解力のなくてあれだこれだと決めつけにかかるバカがオレは何より嫌いなんだが」
「そ、そうなのか?」
「おう。ま、それはそれとして、ほら、泥棒のとこまで案内してやっから、ついてこいよ」
「・・・はい・・・・・・・」
地獄の底まで落ち込んだ源太と、それを支える丈瑠。
二人が士と夏海と共に進む後を、蒔風も後を追って足を進める。
(まっずい―――最近なかったけど、そろそろ歪みが・・・来てる・・・・)
頭を押さえながら、さっきの源太に対する言葉を思い返しながら、一滴の脂汗とともに蒔風は彼らの後をついていった。
to be continued
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