第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
ディケイド 〜兄との決着〜
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を掴まれ、空中で一回転させられる。
しかし地面には叩きつけられず、一回転して再び地面に立たされた。
蒔風の掴んでいる手をさらに士が掴む。
「オレはお前を信じている。なぜなら、お前の弱さを見たからだ。俺とおまえが手を組めば、お前はオレを信じ、いずれ自分を信じることができる」
「人を信じる想い。それはどこの世界、どんな時代でも、最高のお宝って奴じゃないのかい?」
「・・・・・・」
「やるぞ海東。この世界も兄貴も、お前の手で救ってやれ」
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「で、これがその作戦かい?」
荒れ地の真ん中に蒔風、海東、士が立つ。
海東の体は縄でグルグル巻きにされていて、まるで捕虜だ。
「オレたちがお前をフォーティーンに引き渡す。ナツミカンと交換にな」
「で、入れ替わったところでお前がフォーティンに攻撃を仕掛ける。縄は簡単にほどけるようにしてあるから大丈夫だ」
「でも奴らが来るのはまだ先だろう?なぜ今から縛ってるんだい?」
先ほど海東と話をしていた時から時間はそう経っていない。
あの時にフォーティーンに連絡を入れたなら、来るのはまだ先のはずだ。
「いや、だってフォーティーンに連絡したの昨日の夜だし」
「俺様の完璧な作戦をすぐに実行したまでのことだ」
蒔風と士が言ったことに、海東が疑問を挟む。
「君たち、僕がこの作戦に「イエス」と言わなかったらどうするつもりだったんだ?」
その問いにさも当然そうに、二人が同時に言った。
「「ぶん殴ってでも気絶させて縛りあげてあとはポイ」」
「・・・・・・」
こいつらに任せて大丈夫なのだろうか?
と、海東が考えているところに士が海東に訊いた。
「お前のことはこの世界でよくわかった。今度は俺の事を教えてもらう番だ」
「お前の事?士、どういうことだ?」
「蒔風には話してなかったな・・・オレには昔の記憶がない。だから、オレが何者かは知らない」
だが、とそこまで話して海東に向き直る。
「お前はどうやら俺の過去を知っているみたいだからな」
「いいだろう。それは・・・・」
海東の口が開く。
しかし、それと同時に別の声が響いた。
「来ましたよ!!さあ、大樹をこちらに渡してもらいましょうか!!!」
海東純一、フォーティーン、そして夏海の三人が現れた。
「おい!!夏海さんにはなにもしてないだろうな!!」
蒔風が叫ぶ。
昨日の連絡の時点で夏海に一切の手を出さないこと。
それがこの交換の条件の一つだった。
「ええ、それは
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