第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
ディケイド 〜新たな旅、コンプリート〜
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ことを案じるが、二人にその気はない。
全くない。
「夏海、この世界は危険だ。ここはお前の世界じゃない」
「さっき怪人にも襲われた。写真館に戻るんだ」
士と蒔風がやいのやいのと夏海に言うが、本人は不服そうな顔をする。
無理もない。
久々に帰ってきた世界に、久々の友人たち。
それらを否定されて、いい気分ではいられないだろう。
「やめてください!ここは私の世界です。絶対にそうです!!」
「夏海!!」「夏海さん!!」
夏海が駆けだしていってしまい、士と蒔風はその場に立ち尽くしてしまう。
(酷いです・・・せっかく帰ってこれたのに・・・蒔風さんはあったばかりなのに馴れ馴れしいですし、士君も)
ドスッ!!
しっかり前を向いてなかったので、夏海が誰かにぶつかってしまった。
「す、すみません!!」
夏海が謝るが、ぶつかった女性は不機嫌な顔をして睨んできた。
「なに?あんた。人間のくせに」
ブーーーン
「!!!!!そんな・・・そんな!!!」
目の前で女性の顔がトンボのように変わり、怪人になってしまう。
その光景から逃げ出すように夏海は元の秘密基地まで戻ってきていた。
「そ・・・そうです。みんな!みんなは!?千夏!!」
夏海が仲間を探しだす。
彼らだけが、この世界が彼女の世界であるという証明だからだ。
みんなの記憶は確かに本物だ。
だからここは私の世界だ、と。
ガサガサガサ!!!
背後で何かがうごめく音がした。
それが千夏だと思い、夏海は音のほうに向かい覗いた。
だが、そこにいたのは
「え?・・・・そんな・・・・」
「落ち着いて聞いて。ここはあなたの世界じゃないわ」
そこにいたのは自分と同じ顔をした「光夏海」だった。
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「・・・ということなの。ここはネガの世界。あなたの世界じゃない」
この世界の夏海(以後、ネガ夏海)が説明を終えた。
夏海はそれを聞いて愕然としていた。
「で、でも、みんなの思い出は同じでした!!」
「思い出はある。でも、それだけ。彼らは知ってるだけなの」
「嘘・・・・嘘です!」
「彼らはダークライダーなの。殺したみんなの姿をとってるだけの偽物よ」
「そんな・・・じゃあ千夏は?千夏はどうしたんですか!!」
「千夏は・・・死んだわ。奴らから、宝を盗んで」
「嘘です!!そんなことありえません!!」
「じゃあ私の存在はどうなの?ここは危険なの。早く逃げなさい!!!」
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