第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
ディケイド 〜新たな世界〜
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将来このオレの名前が全国の教科書に載るだろう」
「そんなに偉いんだったら教えてほしいな。オレは一体何を手に入れたんだ?」
音也の労いの言葉に士が聞く。
どの世界の住人でもない自分がこの旅で得たものはなんだったのかと。
九つの世界を巡って、一体自分は何をしてきたのか。
音也がそれに答えた。
「それは・・・おまえの、生きるべき、世界」
音也の言葉に何か違和感を感じる士。
「どうしたんだ?」
「ああいや・・なんでもない・・・」
蒔風の言葉になあなあに返事をする士。
そこに栄次郎が夏海を呼びに来た。
どうやら彼女に電話がかかってきたようだ。
皆が写真館に戻っていく。
振り返るとそこに音也の姿はなかった。
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どうやら電話の相手は夏海の同級生らしい。
久々に自分の世界に帰ってこれた夏海は、有頂天になっている。
これからみんなで集まるのだそうだ。
「TGクラブ?」
「そうです。「退学」で「TG」です」
「つまり退学クラブ?なんじゃそりゃ」
夏海が出かける準備をしながら教えてくれた。
なんでも高校時代、世の中が詰まんなくなり、いっそ退学でもしてやるか!?と作ったものらしい。
とてもくだらなそうに見える集まりだが、それでも彼女にとっては大切な友達だ。
そうやって過ごしてきた青春なのだ。
そんなことを話していると、先ほど士の撮った写真を栄次郎が現像し、持ってきた。
「おぉー、綺麗に取れてるじゃん!!」
ユウスケが驚く。そう、その写真はきれいに撮れていたのだ。
と、言うのも、士の写真はいつもピンボケで、まともに映ったためしがないのだ。
それも士がその世界の住人じゃないかららしかったのだが・・・・
「うまいもんだなー。オレは写真だとかのそういった芸術方面が苦手だからな」
「そうなのか?」
「絵なんかひどいぞ。棒人間がせいぜいだよ」
蒔風たちが話してるうちに夏海の支度が終わったらしい。
とくに用事もない暇な三人なので、途中まで士達も付いていくことにした。
「士君達も会ってみます?みんなに。すっごいお宝もあるんですよ」
道中夏海が提案するが、士は呆れた顔をして取り合わない。
「青臭い連中は好きじゃない」
「やめろよ。夏海ちゃんの友達なんだから」
士の言葉をユウスケが戒めるが、夏海はもう慣れたと言って受け流す。
「友達・・・か」
「どうしたんだ?舜」
「舜?」
「いいだろ?舜で。で、どうしたんだ?」
ユウスケが蒔風の顔
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