暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
ディケイド 〜新たな世界〜
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実を知り、驚くが思い直し

「でもお前の近くにはいないとなぁ」

「「奴」ってのが来るからか?」

「そうそう。それ本当なのかよ。世界はせっかく救われたのにさ」

士とユウスケが蒔風に問う。

「その通り。だからまあ・・・お世話になりまっす!!!」

「ちょっと!!士君にユウスケまでいるのに、これ以上置いとけませんよ!!」

夏海が反論する。
それはそうだ。これだけ人がいれば大変である。

なにより士はこの家に写真の現像代や食事代などの借金を溜めこんでいるのだ。

「どれくらいいるんだ?」

「結構な時間だな。この世界は多重世界だから」

「多重世界?ってなんですか?」

「なるほど。大体わかった」

「士。本当にわかってるのか?」

「当たり前だ」

とりあえず蒔風が他の二人に多重世界のことを説明する。


「理由はわかりました。でももうこの家は結構きついんですよ?」


そこですすすっ、と蒔風が夏海によって何か封筒を渡す。
結構な厚みだ。

「これで足りるかい?」

「なんですか?・・・・!!!!ようこそ!蒔風さん!!」

いきなり蒔風と歓迎した夏海に士とユウスケが驚いた。

「なんでだナツミカン!!!」

「夏海ちゃん、どうしたの?」

「なんでもありません。さ、町に行きましょう」


そういって夏海が皆をひきつれて外に出る。

ちなみに夏海が封筒の中に見たのは、沢山の福沢諭吉だったとか。



今この世界は最初の「夏海の世界」に帰ってきているそうだ。
彼女にとっては久しぶりの故郷だ。

旅の最初に、この世界は崩壊しかけてしまったそうなのだが

「わぁーーー。すっかり元通りです!!」

「よかったな、夏海ちゃん!!」

「はい!!」


かつて崩壊した街並み。
それは綺麗に元通りとなり、前と同じ、平和な世界が広がっていた。

意気揚々と街を回る一向。
途中、士が皆の写真を撮り、終始みんな笑顔だった。



そしていったん家に帰ろうとすると、どこからかバイオリンの音色が聞こえてきた。

音のほうを向くと、ひとりの男性が道の真ん中でバイオリンを演奏していた。
演奏し終わり、士達のほうに歩いてきた。

「百年に一人の天才、紅音也(くれないおとや)様の演奏だ。三千万円の価値がある!!」



そんなことを言って夏海や士と握手を交わす、紅音也なる人物。


「礼を言おう。お前たちのおかげで世界は救われた」

「お前・・・・何者だ?」

いきなりのその言葉に、士が不審そうなまなざしを向けて聞く。
だがそれに対しあくまでも友好的に答える音也。

「紅音也。えら〜い人だ。近い
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