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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十五話 油断をしていると足元をすくわれます。
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んが、少なくともあれは誰かのために働こうとしているようじゃ」
「・・・・・・・」
「勝手なことばかりを言って、卿にはすまぬと思っておるが、どうかあれを、いや、あれらを助けてやってほしい。未熟な者を見守り、指導するのは年長者の務めだでな」
「小官とて未だ至らぬところばかりです。むしろ閣下のような方こそが若き英才の方々を指導するべきではありませんかな」

 グリンメルスハウゼンは再び甲高い声で笑った。

「儂は耄碌して居る。無理じゃよ。卿のような老練で、まだ活力を失わず、不動の軸である者こそが、そうした任を負うべきだと儂は思うのじゃが」

 それはどうですかな、と言葉を濁していなしたメルカッツだったが、グリンメルスハウゼンの意図するところは十分理解できた。アレーナと、彼女が助けようとしている者、そして彼女の周りにいる者を、メルカッツに見守っていてほしいのだということが。

 図らずも、メルカッツの理解は既に形となって表れていた。何故なら、彼の指揮下の艦隊のそのまた分艦隊のそのまた戦隊にラインハルト、そしてイルーナの指揮する部隊が加わっていた事である。
 さて、と老人はいい、どっこらしょと暖炉の椅子から立ち上がった。それをケスラーが介助する。二人の会話中この若い軍人は一言も話さなかったが、非情な注意をもって聞いていることがメルカッツにはわかった。

「さて、無駄話をしてしまったの。卿の武運に大神オーディンの恩寵あらんことを」

 メルカッツは頭を軽く下げて、それに答えた。


 他方、アレーナは自軍の編成に忙しく余念がない。
 彼女は自分の部隊を指揮する将来の実戦指揮官として、女性士官学校からの候補者を積極的に登用したいとマインホフ元帥にねだった上、彼女自身が女性士官学校で知り合ったという体にして、候補者リストもこっそりと渡していた。その中には彼女と前世を同じくする者がいたことは何ら不思議ではない。
 アレーナの旗艦付き副官となったシアーナ・フォン・エクレール中尉は前世でのアレーナの実妹である。残念ながら今回はランディール侯爵家の家に生まれなかったが、それでも妹と再会した時、思わず感極まったアレーナは「妹」を抱きしめて頬ずりしたのであった。

 ちなみに、前世に置いて、シアーナはフィオーナと同じ騎士団に所属していて、彼女の教え子でもある。したがって、フィオーナがイルーナに呼ぶ時と同じく、フィオーナを「教官」と呼んで慕っているのだ。

 21歳とアレーナより年長のエレイン・アストレイア大尉は元々前世において、アレーナの属している公国の女性将軍として同僚である。互いの仲は「喧嘩するほど仲が良い、かどうかは微妙」という訳の分からない関係ながらも、その力量はお互い高く買っている間柄だ。
 他にアレーナはカルナップ、グリュ
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