第54話
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る事に気付いたランディは驚きの表情でルファディエルに尋ね
「………ええ。というかガイに頼まれて警察を手伝っていた頃から知っていたわよ。」
尋ねられたルファディエルは静かに頷いて答えた。
「くっ………これも”壁”ってわけですか。」
「ああ………とびきりデカイ”壁”だ。基本的に俺は、お前達の行動に制限を付けるつもりはないが………”黒の競売会”にだけは手を出すのは止めろ。お前達には荷が重すぎる。」
「で、でも………!」
セルゲイの話を聞いたロイドは悔しそうな表情で反論しかけようとしたその時
「おいおい、課長。言葉を間違えてんじゃねえよ。俺達に荷が重いってより、警察そのものが動けねぇんだろ?」
ランディが目を細めて尋ねた。
「………………………」
尋ねられたセルゲイは黙り込み
「それだけの有力者を招待して、しかも実質的な主催者の一人があのハルトマン議長………そんなの動けるわけがないわ。」
「民間人に危険が迫らない限り、遊撃士協会も動けませんし………誰も手が出せないという事ですか。」
エリィとティオがそれぞれの推測を言った。
「だ、だからと言って………!」
「………悔しい思いをしてんのはお前達だけじゃねえ。特に一課の連中は毎年、歯軋りするような思いだろうさ。非人道的な催しだったらそれこそギルドに動かれる前に意地でも突っ込むところだが………どうやら出品物が”黒い”以外は豪華なパーティーってだけらしいからな。」
「くっ………」
「実際、下手に手を出しちまったら支援課ごと潰される可能性は高い。だから今回ばかりは俺もお前らを止めざるを得ない。ま、そういうことだ。」
「「……………………」」
「ハッ………」
「……やれやれです。」
セルゲイの話を聞いたロイドとエリィは複雑そうな表情で黙り込み、ランディは不愉快そうな表情になりし、ティオは溜息を吐き
「ねえ……ルファディエルさんはどう考えているの?」
シャマーラはルファディエルを見つめて尋ねた。
「………貴女達にルバーチェや議員の後ろに控えるエレボニアを含めた者達――――いえ、下手をすれば警察自身や警備隊も敵に周るわね。それらと”戦争”をする覚悟があるのなら止めはしないわ。その時は私も全ての策を編み出して、”敵”を全て殲滅や暗殺する策を考えるわ。………でも、その時は多くの関係ない者達が傷つき、そして文字通り人と人が殺し合う”戦争”が起こる可能性がある事を考えておきなさい。」
「それは……………」
「…………そんな事、絶対にしたくありません………!」
そして真剣な表情で言ったルファディエルの話を聞いたセティとエリナはそれぞれ暗そうな雰囲気を纏った。
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