第53話
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「な、な、なんじゃこりゃ〜!?ちょ、ちょっと待て!これって、ひょっとして………」
「居場所を突き止められた仕返しにハッキングを受けたみたいですね。いえ………最初から掌の上だったのかも。そうなると、ダミーの情報を掴まされた可能性もありますね。」
「きゅうっ………」
ティオの説明を聞いたヨナは大きな音を立てて黙り込んだ。
「おーい、大丈夫か?」
その様子に気付いたロイドは声をかけたが
「くっ………あの状況でアドレスを偽装する余裕は流石になかったはずだ………だったらアドレスを解析すれば何とかアクセスポイントも………いやでも………ブツブツ………」
「おーい………」
ヨナは独り言を呟き始め、それを聞いたロイドは苦笑しながら声をかけ、ティオは端末の電源を切って立ち上がった。
「まあ、放っておいていったんヨナの所に戻しましょう。報酬の記録結晶も受け取る必要がありますし。」
「あ………そんな話もあったか。なんか色々ありすぎてすっかり忘れていたな………」
「ふふっ………この近くに、出口付近に出る非常エレベーターがあるはずです。それを起動させて帰りましょう。」
「ああ、そうだな。」
その後ロイド達はジオフロントA区画を出て、ヨナの所に向かった。
〜ジオフロントB区画〜
「ローゼンベルク工房………?」
「ちょ、ちょっと待て。ローゼンベルク工房って人形を作っている工房だろう?北の山道の途中にあった………」
「そうだよ、その通りですよ!でも”仔猫”のアドレスを解析したらそこがアクセスポイントって出たんだ!ハッ!何の冗談だよ、これは!?」
ティオとロイドが戸惑っている中、ヨナは悔しそうな表情で答えた。
「確かに………不可解ですね。」
「………どういう事なんだ?あの工房に”仔猫”がいたら何かおかしいことでもあるのか?」
「その………現在、自治州内に敷かれている”導力ネットワーク”網は市内とウルスラ病院くらいなんです。あとは湖の対岸にある保養地、ミシェラムくらいでしょうか。」
「あ………」
「………無線の導力波は不安定だから普通の導力通信にしか使われない。大量の情報のやり取りをする導力ネットは基本的に有線なんだ。ウルスラ病院とミシェラムだって湖底に導力ケーブルが通ってるし………でもどう考えても、山道外れの工房に導力ケーブルが敷かれているワケがない!ああもう!どういうトリックなんだよ〜っ!」
「うーん………(………まさかな………………)」
ティオとヨナの説明を聞いたロイドは考え込み、工房で出会った少女―――レンを思い出し
(………レンさんならやりかねないですね………”アレ”の操作をするあの人なら
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