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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
第52話
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ところ………それが、俺のいた場所だ。」

「ランディ………」

目を細めて、声を低くして語るランディをロイドは真剣な表情で見つめ続け

「―――なーんてな。ははっ、それっぽかったろ?俺の過去なんざ、そんな大層なもんじゃねえさ。今はただの、夜遊びが大好きなクールでハンサムなナイスガイだ。それ以上でも、以下でもねえ。」

「…………………………」

起き上がっていつもの調子で語るランディを同じように起き上がったロイドは黙って見つめ続け

(ククク………やっぱりあたいが睨んだ通り、あんたは相当の修羅場をくぐっているよ………!)

ランディの話を聞いていたエルンストは不敵な笑みを浮かべていた。

「あのさ、ランディ。前にも話したけど………俺には兄貴がいたんだ。」

一方ランディを見つめ続けたロイドは唐突に話し始めた。

「え…………」

「ガイ・バニングス………捜査一課に所属していた捜査官。とんでもなく破天荒で、あり得ないくらい前向きで………事故で両親を亡くした後、ルファ姉が来るまで男手一人で俺を養ってくれて………憧れてた女性(ひと)を取られても嫉妬すら沸いてこないような………とにかく”凄い男”だったよ。」

「そっか………はは、お前も大変だな。ルファディエル姐さんもいるのに、そんなスゲエ兄貴の背中を追いかけてるってわけか。」

ロイドの話を聞いて頷いたランディは苦笑しながら言った。

「……まあね。でも、少し白状すると………ランディってさ………ちょっと兄貴に似てるんだよな。」

「へ………」

「もちろん顔とか全然、似てないんだけど………いつも俺とか、エリィ達をさり気なくフォローしてくれるだろう?そんな所がちょっと似てるんだ。」

「お、おいおい………こっ恥ずかしいこと言うなよ。お兄さん、顔が赤くなっちまうぜ。」

「はは、そういう照れ隠しもちょっと似てるかも。」

「うっ………」

「だから俺も、ランディのことを尊敬してるところがあるんだよな。ちゃんと”自分”をわかっていて他人にも気を遣えるところ………同僚っていうより、一人前の”男”としてさ。」

「………………………………」

ロイドの話を聞いたランディは呆けた様子でロイドを見つめ続けていた。

「……正直、俺はまだまだだ。多分、ランディの話を聞いても間の抜けた言葉しか出てこないんじゃないかと思う。―――だからさ。いつか俺が、兄貴やランディと肩を並べられるようになったら……その時は、聞かせてくれないか?」

「………ロイド………………ハハハハ………」

ロイドに言われたランディは口元に笑みを浮かべた後、ロイドの頭を撫で始めた。

「ラ、ランディ………?」

「いや〜、参った参った!お嬢もこぼしてたけどお
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